出不精なのにノマド向きのものを好むわけ
タティングレースのモチーフつなぎは12枚つないで、現在13枚めのモチーフを作つてゐるところだ。
モチーフは Mary Konior の Masquerade。
使つてゐる糸は Lisbeth #40 だ。
昨日、つないではいけないところをつないでしまつた。
しかも、そのあとダブルスティッチを8目も作つてしまつた。
あーあ。
といふわけで、ひたすらほどいてゐた。
これくらゐならほどくのである。
いま使つてゐるシャトルが GR-8 Tatting Shuttle なので、ほどくときには先についてゐるかぎ針を使ふ。
GR-8 Tatting Shuttle のかぎ針は先が鋭くない。
ゆゑにほどきにくいこともあるけれど、糸を痛めにくいと思つてゐる。
ほんたうならクロススティッチ用の針を使ひたいところだ。
さう思ふのは、三ヶ月ほど通つてゐたボビンレース講座の先生がさう云つてゐたからだらう。
先生は、間違へたところをほどくときにかぎ針を使つてはならないと教へてくれた。
糸が弱くなるからださうな。
かぎ針でひつかけたりして、糸がよれたりわれたりするのだとか。
ボビンレースの糸はあまり撚りが強くないのかな、とそのとき思つた。
ボビンレースはつづかなかつたなー。
ひとつには、通つてゐた講座の開催地が遠くなるからだつた。
ひとつとなりの駅のそばだつた開催地があんまりなじみのない場所に変はることになつてゐた。
それだけだつたらつづけたらうと思ふ。
おそらく一番の理由は、お道具が大きいからだ。
クッサンと呼ばれる円形の平たく大きな台を使はねばならない。
講座だけではたいして作れないので道具を持つて移動する。
これがなかなか苦痛でね。
しかも、移動できはするものの、出先でできるやうな手芸ではない。
する人もゐるのかもしれないけれど、その場合はかなり広いスペースが必要になる。
そして、お道具の出し入れに気を遣ふ。
向かないなー。
ボビンレースのやうな織りのレースに対するあこがれはある。
でも自分向きぢやないんだなー、すくなくとも今は。
いろいろやつてつづいてゐるものは、持ち歩けるもの、道具が比較的ちいさいものばかりだ。
あみものにしろタティングレースにしろ。
モバイルでないとつづかない。
Nina Libin いふところの nomad 向きの手芸しかつつかない。
nomad つて、出不精のくせに、といふ向きもあらう。
やつがれもその点が長いこと不思議だつた。
こんなに出かけるのが嫌ひなのに、なぜ手芸などはモバイルなものでないとできないのか。
出かけたくないから、なにか自分と外界とを遮断するものが必要なんぢやあるまいか。
一番いいのはヘッドフォンやイヤフォンをして音楽を聞きつつ外出することだらう。
でも、これがちよつと苦手だ。
ヘッドフォンならまだいいけけれど、イヤフォンは耳がかゆくなつてしまふのだつた。
かといつてヘッドフォンだとかさばる。
それに、歩いてゐる最中に音楽など聞いてゐたらなにか事故にでもあつたときに責任問題になる。
リスク回避なわけだ。
ほかには本や最近ではスマートフォンが自分を外界とへだててくれる手だてとなる。
本はともかく、スマートフォンにかかりきり、といふのもやつがれはとらない。
なんとなく、うつくしくないからだ。
いや、まあ、うつくしさはそんなに求めてないけどさ。
所詮自分のすることだし。
あみものやタティングレースが外界と自分とをへだてるものとしてうつくしいか、といふと、実のところあまりうつくしくはない。
一番まともなのは読書だらう。
自然な感じがするからだ。
あみものはまだしもタティングレースはしてゐる人がすくないからね。
なんとなく奇異な感じがする。
でも持ち歩きやすいからタティングにたよりがちではある。
そもそも、外出するのに外界と自分とを遮断するものが必要である、といふことがすでにうつくしくない。
わかつてはゐるのだが、持たずには出かけられないのだつた。
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