古典インクが使へるといふことは
プラチナ萬年筆の古典インク六色を、わけてもらつた。
俗にいふ「タミつてもらつた」といふところだ。
別件で買つてきてもらつたくまもんのパイロットのカクノの細字と、家で眠つてゐたカクノの細字にインキを入れてみた。
入れてみたのは、シトラスブラックとラヴェンダーブラックとである。
シトラスブラックを使用した感じは、Twitter で画像を見てゐた。
書いたそばから色が変はつていく。
最初は文字どほりシトラスを思はせるやうな淡いきれいな黄色でありながら、時間がたつにつれてだんだんカーキのやうな色になる。
実際に書いてみたところ、想像してゐたほど色の変化が見られないやうな気がした。
ところが写真に撮つてみると、これがかなり変はる。
うーむ。
シトラスブラックを入れたカクノは、かなりインキフローの渋い細字だつたので、それであんまり変化を感じることができなかつたのかなあ。
ラヴェンダーブラックの方のフローは普通で、こちらは書いてゐて明るい牡丹のやうな色から暗い紫に変はつていくやうすがよくわかつた。
が、こちらは写真に撮つてみると、違ひがよくわからない。
むむむ。
さういふものなのかなあ、人間の眼つて。
あるいはカメラつて。
気になつてゐた Moleskine にも書いてみた。
おおー、にぢまない。
細字で筆圧が低いせゐもあるかと思ふが、裏写りもしないし裏抜けもない。
たうとう Moleskine でも万年筆を使ひわけられる日がやつてきたか。
感慨深い。
以前も何度か書いてゐるやうに、はじめて Moleskine を使つたときは、いろんな万年筆にいろんなインキを入れて書いたものだつた。
おもに使つてゐたのはDr.ヤンセンのシェークスピアとモンブランのボルドーとだつた。
プラチナの古典インクにはセピアブラックがある。だいぶ暗くなりさうな印象があるが、なに、カーキブラックだつてある。
シェークスピアの代はりになりさうな予感がする。
ボルドーの代はりはカシスブラックだらう。
いいぢやあないか。
スライド手帳にも書いてみた。
スライド手帳は紙が薄いせゐもあつて、裏写りは多少するものの、写真ほどには気にならない。
一部裏抜けしてゐるやうに見えるのは、書き損じをごまかさうとしたところだ。
いいぢやあないか。
使へるぢやないか、プラチナの古典インク。
Moleskine もスライド手帳も、もつと太いペン先で書いたり筆圧の高い人が書いたりすると裏抜けするのかもしれない。
Moleskine には中屋万年筆の中軟にプラチナのブルーブラックを入れたペンで書き込むこともあるが、裏抜けしたことはない。
なにも考へずにつらつらつらーっと書くせゐかもしれない。
ところで、タミヤ、いいね。
まさかこんな形でタミヤに出会ふことがあらうとは思つてもみなかつた。
こどものころプラモデル作りにあこがれた時期がある。
不器用だつたので、買つたところでお金の無駄とあきらめてゐた。
生きてゐると、いろいろなことがあるものだ。
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