指無し手袋を編む
指無し手袋が必要だ。
以前も書いたやうに、現在の職場は異様に冷える。
休み明けのせゐかもしれないけれど、先週はことに冷えた。
なにしろ、いつも暑がりで冬でも冷房をつけてゐた社員が「寒い」といつて上着を着るありさまである。
すでにある指無し手袋を使へばいいのだが。
実は指無し手袋つてあんまし編んだことがないのだつた。
現在はめてゐる Regia Silk-4Ply で編んだ Serpentine Mitts ぐらゐかなあ。
Rowan の Big Wool で編んだ、並の指有り手袋よりもあたたかいものもあるけれど、これはごつくて仕事をするときには向かない。
リストウォーマはいくつか編んだけれど、できれば親指を出すところがほしいんだよね。
そもそも手袋をあんまり編んだことがない。
指を編み出すのが面倒くさいからだ。
指自体はいいんだけれど、糸端の始末が、ね。めんどくさい。
くつ下はずいぶんと編んだしこの後もまだまだ編むつもりでゐる。
くつ下は糸端があまり出ないからだらうなあ。
なにしろトルコの人はくつ下を編んでも糸端はそのままにしてフェルト化するにまかせるといふ話もあるくらゐだ。
編み込みにしたら話は別だらうけど、編み込みのくつ下もほとんど編んだことがないしな。
手袋の方がくつ下よりいいのにね。
なにがいいといつて、「編んだんだー」と見せびらかせるではないか。
足を突き出して「編んだんだー」といふのはなんだかあまり様子がよくない。
手袋なら、顔の前にでも手を掲げて「編んだんだー」ができる。
そんなわけで、一時手袋を編まうと思つた時期がある。
実際はそんなに編まなかつた。
手袋つて、一対あれば事足りるんだよね。
色とか柄とかいろいろと考へて編めばいいのかもしれないけれど。
それに、上に書いたやうに糸端の問題もある。
しかし、ここに編む理由が生まれた。
寒い。
冷える。
手先をなんとかしなければ。
まづ毛糸を探してきた。
あると思つてゐた Jaeger の Matchmaker Merino 4Ply がない。
4Ply ではなくて DK だつたのだ。
ああー、なんといふことでせう。
考へて、なけなしの Matchmaker Merino 4Ply の中から紫色の最後の二玉をひつぱりだして来た。
そして、結局 Matchmaker DK の深緑色で編みはじめた、と。
編みはじめて思つたことは、仕事をするときにはめるのなら 4Ply で編んだものの方がいいかもしれないなあ、といふことだつた。
DK で編むと地が厚すぎる気がする。
まだできてないけど。
今回、久しぶりにマジックループで編んでみた。
といふのは、外出先でも編みたいと思つたからだ。
ほんたうは4本とか5本の針で編むのが好きなんだけどもね。
先端恐怖症の人もゐるだらうし、それに輪針の方がなくしづらい。
家で落ち着いてゐるときには袖無し羽織を編んで、外では指無し手袋を編む。
完璧ぢやあないか。
まあ、実際はそんなに完璧でもないのだけれどもね。
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