書くことに時間が割けてゐない。
読んだ本や見てきた芝居、映画、落語のことを書くのが精一杯で、それ以外のことがほとんど書けてゐない。
歌舞伎は通常三幕くらゐある。
落語はこれまた最低でも三つくらゐは噺をする。
映画は名画座系に行くと二つ見ることもある。
逐一書いてゐると、それだけで終はつてしまふ。
なにかもつとかんたんに書ける方法がないかと思つたのも Bullet Journal をはじめた理由のひとつだつた。
Bullet Journal は Rapid Logging を標榜するものだ。
素早く即座に記録を残すために箇条書きを使用する。
Instagram や Pinterest で見るかぎり、Bullet Journal を用ゐてゐる人々のうち、Rapid Logging に重点をおいてゐる人はそんなにゐないやうな気がするけどね。
写真に残すせゐかもしれないけれど、Rapid であるよりは Neat であれ、みたやうな感じがする。
デコラティヴな文字で書き込んでみたり、きれいに色分けしてみたり、見た目に楽しいものが多いからだ。
見た目は重要だ。
ぱつと見てわかるやうに書くことは大切なことである。
とくにあとで見返す可能性の高い手帳の場合はさうだ。
しかし、見返すにはまづ記録を残さなければならない。
それには上記 Bullet Journal の Webページで紹介されてゐるやうな極々シンプルな書き方の方がむいてゐる。
そんなわけで、去年の二月に Bullet Journal をはじめたときには芝居などの感想もすべて箇条書きで書いてゐた。
箇条書きのいいところは、一文一内容にしやすいことだ。
達意の文章を書くには「一文一内容」ははづせない、とものの本にはある。
だらだらと長く書くよりも、一文には内要はひとつにして書いた方がわかりやすくなる。
まれに、前後関係や因果関係があつてつないだ方がわかりやすくなる文もある。
でもそれだつたら箇条書きにして順番を振ればいいんぢやあるまいか。
ほかに箇条書きのいいところといふと、書き忘れたときに追記しやすい、といふことがある。
Aといふ内容のことを書いて、Bといふ内容のことを書く。
その後でAとBとのあひだには実はCがあつたことが判明したとする。
通常の文章だと、AとBとのあひだにCを入れるやうな工夫するだらう。
いまだつたら付箋でも貼るかな。
箇条書きだつたら、AとBとのあひだに「何ページ目に追記あり」みたやうなことだけ書いておいて、別のページにCを書いてもいい。Cのところにも「別のページのAとBとのあひだに入る」みたやうなことを書いておく。
Bullet Journal の手法を借りるなら、記号を決めておけば、ダラダラと文章で「別ページのどこ参照」などと書く必要はない。
普通の文章でもおなじことはできる。
箇条書きだと一文が短いので、入れやすいのだ。
箇条書きはとてもいい。
でも、なんとなくやつがれには向かなかつたんだな。
なんでもかんでも箇条書きといふわけにはいかなかつた。
箇条書きのみにして以降、だんだん記録をとらなくなつてしまつた。
箇条書きだけが問題とは限らない。
当時ひさしぶりにシステム手帳を使ふやうになつて、まだ書くのになれてゐなかつたのかもしれない。
それで、綴じ手帳を「なんでも書く手帳」として使ふやうにして、システム手帳は基本的にはスケジュール管理のみにしたのだつた
ほんたうは最初に箇条書きであるていど書き出しておいて、そこから文章を組み立てた方がいいやうな気はしてゐる。
Bullet Journal をはじめたばかりのころは、さう考へてゐた。
でも清書をしてゐる時間がない。
おなじことを二度書くくらゐだつたら、いま書きたい別のことを書きたい。
これまたほんたうは清書はした方がいいんだけどね。
Bullet Journal なり「なんでも書く手帳」なりにとりあへず書き留めたことを、別のノートにあらためて書いたらいいのにな、とは思つてゐる。
そのために使へさうなノートもある。
でもいまはその時間がないんだよなあ。
「なんでも書く手帳」に書いてゐる時間だつていまなかなかとれないんだからさ。
無駄に過ごしてゐる時間をなんとかすればいいのかもしれないが。
それができたら苦労してゐないわけで。
その無駄な時間を有意義に過ごすために、スライド手帳なり Bullet Journal を使ふといいと、これまた思つてはゐる。
思はないよりいい。
さう思ふことにもしてゐる。
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