あこがれのたすき掛け
芝居や映画、TVドラマを見て「まねしてみたい」と思ふことはさまざまある。
口にしてみたいせりふについては以前書いた。
まねしてみたいことの一つにたすき掛けがある。
ちよつと昔のホームドラマなどに、お母さんが口にたすきの端をくはへてあつといふ間にたすきを掛ける、そんな場面があつたりする。
なんてやうすがいいんだらう。
たすきが宙をひらめくさまがいい。
たすきを掛けた姿もいい。
なんだかとつても凛々しいのだ。
しかし、普段生活してゐてたすき掛けが必要な状況に出会ふことがない。
そもそもたすきを持つてゐない。
たすきを売つてゐるところにも出くはさない気がする。
いまWeb検索をかけたら、運動会用のたすきだとか選挙のときに候補者のかけてゐるやうなたすきは売られてゐることがわかつた。
自宅にはたすきに見合ふやうな長さのひもはないなあ。
手ぬぐひを結んでやつてみやうか知らん。
剣道や弓道をたしなむ人は普通にたすき掛けをするのだらうし、日本料理屋の板前の人などもしてゐるだらう。
洋装だと応援団の人がたすきを掛けてゐるのを見かける。
たすき掛けつて、そんなに特殊なことぢやないんだよね、きつと。
それでもまねしてみたいといふあこがれを抱くのは、たすきの端を口にくはへて魔術のやうに掛ける、あの一連の所作がすてきだからだらう。
かけかたの理屈(といふか)はわかつてゐるつもりなので、そのうちやつてみやう。
たすきを掛ける意味はないかもしれないが。
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