不完全燃焼
ユビキタス・キャプチャーとは、したことや思ひついたことなどなんでも忘れないやうに記録に残すこと、だと思つてゐる。
六年前にふたたび Moleskine を遣ひはじめたとき、そのユビキタス・キャプチャーを実行するつもりでゐた。
ノートはいろいろ変はり、筆記具もそのときどきで違ふけれども、いままでつづいてきてゐるといふことは、ユビキタス・キャプチャーを実践できてゐると思つていいのかな。
問題は、最近「書き切れない」と思つてゐることだ。
書き切れないことについては先日書いた。
見てきた芝居や映画のことを延々書きつづつてしまふ。
書き尽くさぬうちに、書き尽くせてゐない部分の記憶が薄れてゆく。
感想を書いてゐるあひだ、ほかのことが書きづらい。
書き尽くせぬことは書かなくてもいい。
書き尽くせぬことは忘れてしまつても仕方がない。
さういふ割り切りも必要なのかもしれない。
二年前の手帳をぱらぱらと見返してゐた。
当時、自分のやつてゐることはユビキタス・キャプチャーではないな、と思つてゐた。
いろいろと書き残してはゐるけれど、書き残したいことを全部書いてゐるわけではない。
「ぢやあ書きたいと思つたことはかたつぱしから書いてみやう」と思つた、そのときの手帳だ。
Moleskine ポケットサイズの罫線あり版である。
これがまた、こまごまといろいろ書いてあるんだなあ。
ときに「書き切つた」といふ満足感を書き添へた部分もある。
さうか。
いまの自分に足りないのはこの「書き切つた」といふ達成感なのだな。
この週末は、「書き切る」ことに挑戦してみるか。
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