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Thursday, 06 October 2016

飯田市川本喜八郎人形美術館 2016秋 再訪 その二

九月三十日、十月一日と飯田市川本喜八郎人形美術館に行つてきた。
昨日、ちよつと感想を書いた

曹操の表情が切なくてねー。
曹操は、メインケースの向かひにあるケースの向かつて右端にゐて、左端にゐる関羽を見てゐる。曹操と関羽とのあひだには十五人くらゐ人形が飾られてゐる。
曹操は横顔を見せてゐて、ちよつと躰をひねつた感じで背中が見えるあたりとか、重心が前にあるあたりとかもいい。
ちよつと離れて正面から見た顔の表情が一番切ない。

メインケースの向かつて右隣のケースに江東の人々と荊州の人々とが展示されてゐる。
孫権・孫堅・孫策のやうすがいい。
左に立つてゐる孫権が意見を述べてゐる。
座してゐる孫堅が孫権に意見を求めたんだらう。
その孫権のやうすを孫堅の右側に立つてゐる孫策が頼もしげに見つめてゐる。
そんな感じかと思ふ。
人形劇ではあり得ない構図で、それがまたいい。

その隣の荊州の人々はなんだかバラバラな感じで、中でも劉琦を見下ろしてゐる劉表の表情が心配げなやうすに目が止まる。
ケースの端といふか角のあたりから見たときが一番心配さうだ。
しつかりしてほしいと願つてゐるといふよりは心配さうなんだよなあ。
頼もしい息子たちと忠義な部下とに囲まれた孫堅と比べて見るからよけいにさう思ふんだらう。

江東と荊州のケースの向かつて右隣、展示室の奥にあるケースには、水鏡先生とその弟子たちがゐる。
孟公威・崔州平・石広元の酒盛りが楽しい。
今回は酒の肴も用意されてゐる。実に精緻な肴だ。
崔州平は箸を手にしたままで、孟公威と石広元とは箸を皿の上においてゐる。石広元の箸の置き方が孟公威のそれに比べてフリーダムだ。人形劇の石広元つてさういふ感じだよね。あるいは石広元の方が酔つてゐるのかもしれない。

この酒盛りを見たあとに、人形アニメーションの李白を見るとますます「お酒つていいよねえ」といふ気分になる。
孟公威・崔州平・石広元は水鏡門下生で集まつて口角泡を飛ばしつつときに険悪な雰囲気にもなりながら酒を楽しんでゐるといふ感じだ。
李白は、ひとり風の中に立つてゐて、だいぶきこしめしたやうすで月を見上げて独吟してゐるといふ感じだらうか。
あるいはただただ口を開けて月を見上げてゐるのかもしれない。
黒い雲の隙間から月が顔を出した、それを見上げてゐる。
さうも見える。
李白はアブソルートウォッカのCMに出てゐるのだといふ。動画を見てみたいと思つてゐるのだが、まだその機会がない。

飯田市川本喜八郎人形美術館で今月上映されるアニメーションに「鬼」がある。
その人形が展示室にも飾られてゐる。
展示を見て、アニメーションを見て、また展示を見ることができる。
贅沢だよねえ。
「鬼」は七分ていどの作品で、鶴澤清治の三味線に山口五郎の尺八の音楽に乗つて人形の動く様が実に生き生きとしてゐる。
美術館の方の解説では「文楽の人形や動きを意識した」と云つてゐたやうに思ふ。
「糸に乗る」といふ表現があつて、まさにそんな感じの動きなんだよなあ。

今回の展示を見るのはこれで最後と思つて行つたけれど、もう一度見に行けたらなあと思つてゐる。たぶんムリだけど。

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