Three's a Crowd
「ヘンな人が好きだよね」と云はれることがある。
この場合の「人」は、現実の人間ぢやなくて、映画・ドラマ・まんが・小説・芝居などの登場人物をさす。
多分、その起源は「大岡越前」の徳川吉宗だ。
山口崇の演じる八代将軍が好きだ。
山口崇が好きなわけではない。
その証拠に「タイムショック」はやつぱり田宮二郎がよかつたし、ほかのドラマで山口崇を見て「いい」と思ふことがなかつたからだ。
「大岡越前」の吉宗は、いつでもなんだか妙だ。
エキセントリックといふのは、ああいふ人を表現することばなのかもしれない。
いつもわりとテンションが高くて、どうにかするとバカ殿とほぼ変はらないやうな言動をとる。
大抵身分を偽つて登場するから、ときに町娘なんかにぎやふんとやられることもある。
いいなあ。
なんか、ヘンな人でさ。
もうひとつ、「大岡越前」の吉宗でいいところは、加藤剛演じる大岡忠相と竹脇無我演じる榊原伊織とのあひだに入ると、また一風変はつた雰囲気が生じたりすることだ。
世に「Two's company, three's a crowd.」といふことばがある。
「ふたりで気楽にゐるところに別の人が来るとちよつと微妙な空気になるよね」といつたところか。
でもこの「微妙な空気」がたまらないのだ。
さういえば「宇宙大作戦」といふか「スタートレック」でもDr.マッコイが好きなんだけど、これも同様で、カークとスポックとのあひだにボーンズが入ると、ちよつと雰囲気が変はつていいんだな。
まあ、Dr.マッコイはそんなに妙な人といふわけではないけれど。
そんなわけで最近の映画の「スタートレック」はいまひとつ物足りない、といふのはまた別の話。
三といふ数字の、不安定さうでゐて実は安定してゐるのがいいのかな、とも思ふ。
女の子同士だと、三人組といふのはなにかと問題を起こしがちだ。いつも二対一にわかれてしまつて、だれか一人が仲間外れになる。そんな様を何度も見てきた。
「カリキュラマシーン」といふ番組でも、三人組は二対一にわかれてしまつて、「♪三は嫌ひだよ~」と歌つてゐたやうに覚えてゐる。ことは女の子に限らないのかもしれない。
Two's compnay, three's a crowd とはよく云つたものだ。
ただ、三は鼎の足のやうにうまく機能することもある。三脚とかね。あれは二脚とか四脚ではグラついていけない。
そんなわけで、しばらくは「三」についてちよつと考へてみやうかな、とか思つてゐる。
それとはまつたく別に、やつぱり「ヘンな登場人物」はたまらなく好きなんだけれどもね。
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