ヴェストとか陣羽織とか
先週はなにも編んでゐない。
袖無し羽織を編むつもりで、ここにも書いたデビー・ブリスの糸を出してきたら、コットンではなくてコットンカシミヤだつた。
なんと。
それでなんとなくもつたいなくなつてしまつて、編みはじめられずにゐる。
袖無し羽織は家でしか着ないつもりだ。
あたりまへだ。洋装に羽織なんぞ合はせたら妙な人ぢやあないか。
しかるにコットンカシミヤである。
いい糸だ。
できることなら外に着ていけるやうなものを編みたい。
「着ていける」といふのは、着分の毛糸があるからだ。
まゐつたな。なにを編まう。
Ravelry を見ても、案外 suggestions が少ない。それよりもこの糸を使つてなにを編んだかを見た方がいいのかなと思つたが、それはそれで数が多い。
むう。
膨張色なんだよね。
シュランケンカーフのスカイと似たやうな灰色がかつた水色だ。
どうしたものかなあ。
だいたい、なにを編むつもりで買つたんだらう。
おそらく、廃番になるし安売りだといふので無計画に買つたんだらうな。
愚かだな、過去のやつがれ。
袖無し羽織がダメならヴェストでも編まうか。
そんなことも考へてゐる。
かのこ編みのちよつとシェイプした形のヴェストなんかどうかな。
かつて「毛糸だま」に身ごろを五枚くらゐはぐやうなちよつと本格的な感じのヴェストが掲載されてゐたことがある。
後ろ身ごろが一枚で、前身ごろは二枚づつとかだつたんぢやないかな。ひよつとしたら後ろ身ごろも三枚とかだつたかもしれない。
編んでみたかつたねえ。
あれ以降、さいういふちよつと凝つた編み図のヴェストは見たことがない。
最近ははがないとか編み終はると同時にできてゐるみたやうなものの方が流行つてゐるものね。
かく云ふやつがれも、できるだけ縫ひ針は手にしたくないので、さうした作品をつひ編んでしまふ。
そして「……なにかが違ふ」と思ふわけだ。
ゲージをとつて、手持ちのヴェストの中から参考になりさうなものを選んで、それに合はせて編まうか知らん。
さうも思ふ。
これはこれでめんどくささうだし、うまくできあがるといふ保証はない。
でも世の中に「これが編みたい」といふものがないんだつたら仕方がないやね。
などと考へてゐたら「びじゅチューン!」で「噴火する背中」といふ歌を流してゐるぢやあないか。
いいなあ、「富士御神火文黒黄羅紗陣羽織」! 覚えちやつたぢやないか。
さうか。陣羽織か。いいな、陣羽織。
陣羽織のなにがいいかといふと、スリットが入つてゐることだ。
この方が着やすさう。
そんなわけで狂ほしく「富士御神火文黒黄羅紗陣羽織!」が編みたくて仕方がない。
いや、別に「富士御神火文黒木羅紗陣羽織」でなくてもいいけどさ。
そもそも、手持ちの毛糸ぢや編めないし。
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