内と外との棲み分け
タティングレースのネクタイは、すこし停滞気味ながら進んでゐる。
停滞気味な所以は、先週は木曜金曜と休みをとつたからだ。
やつがれにしてはめづらしいことである。
毎年、世間がお盆休みの時期には出勤することにしてゐる。
電車がすいてゐるし、職場も閑散としてゐるからだ。
もつといふと、職場には「お盆休み」といふものがないからだ。
今年はおなじ部屋に忙しく働いてゐる人々がゐて、なんとなく気忙しい。
それに、いまゐる部屋はそんなに涼しくない。夕方も早い時間に冷房が切れるしな。
そんなわけで、有給休暇を取ることにした。
休んで家にゐるんだからそのあひだにタティングすればいいのに。
さう思ふ向きもあらう。
やつがれもさう思ふ。
この休みは Lacy Baktus ばかり編んでゐた。
最近、家ではあみもの、外ではタティングレースといふ棲み分けができてゐる。
単に持ち歩きやすいものは外で、といふ図式だ。
以前はあみもの道具もよく持ち歩いてゐた。
トートバッグに入れて、いつでも取り出せるやうになつてゐた。
定期券を買ふ列に並んでゐるあひだに編んだり、発車を待つその駅始発の電車の中で編んだり、人を待つあひだ駅のベンチで編んだりした。
当時もタティングはしてゐたから、タティング道具を持ち歩くこともあつたと思ふのだが、あまり記憶にない。
タティングレースよりもあみものの方が世間に知られてゐるので、奇異の目で見られることが少ないからあみものをしてゐた、といふ話もある。
逆に、知られてゐないからタティングレースだとはふつておいてもらへる、といふこともあつた。
そこのところは一長一短だ。
タティングレースは大きくなつてくると外で作るのはむづかしくなつてくるしね。
白や生成の糸となればなほさらだ。
汚れるからね。
そこでモチーフつなぎの達人なんかは、外ではモチーフ単体を作り、家では作つたモチーフをつなぐ、なんてなことをするのだらうが、生憎とやつがれはモチーフつなぎが苦手である。
好きなんだけどなあ。
どうも、モチーフつなぎはあみものにせよタティングにせよ、きちんと完成できることがあまりない。
タティングレースだと特に、「本ではもつとつなぐことになつてるけど、まあこのあたりでいいか」と勝手に小さくしてしまふことが多い。
ほんとはいいなあと思つてゐるんだけどね。
外ではモチーフを作りため、家では作りためたモチーフをつなぎつづける。
理想的な作業仕分けだ。
ネクタイもだんだん長くなつてきて、外で作るのにはあまりむかなくなつてきたやうにも思ふ。
ただ、前回も書いたやうにジャボのやうな使ひ方を想定してゐるので、そんなに長くはしないつもりだ。
なんとか外出用として作りつづけることができるんぢやないかな。
そんなこと考へるんだつたら家で作れよ、とは、もちろん思はないわけではないが。
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