リフィル・ジプシー
枻出版のエイ・ムック「システム手帳STYLE」を心待ちにしてゐた。
手元にやつてきて、でもなんだか違つた。
「システム手帳STYLE」はシステム手帳のバインダに関する記事に力を入れてゐて、その他のことについては期待したほどの内容はなかつた。
バインダの記事はすばらしいけれどね。写真が豊富でうつくしくて、うつかりほしくなつてしまつたりする向きもあらう。
革の違ひの一覧や手入れの仕方に関する記事もあつて、革に興味のある初心者にはいいと思ふ。
でもバインダはいま使つてゐる HIRATAINDER が気に入つてゐるし、ほかにほしいとも思はない。
「システム手帳STYLE」で紹介されてゐるバインダを見ても、HIRATAINDER 以上に心動かされるものはなかつた。
期待してゐたのはリフィルの記事だ。
それと、システム手帳がなんとなく使ひづらいのを解消してくれるやうなTips。
たとへば右利きの人は左側のページが、左利きの人は右側のページがどうしても書き込みづらくなる。それを解消する方法が掲載されてゐるといいなあ。
読む前はさう思つてゐた。
そこんとこはもうシステム手帳遣ひの宿命としてあきらめて受け入れるしかないのかもしれない。
がつかり。
五月からシステム手帳を使用してゐる話はここに何度か書いてゐる。
現在のところリフィル・ジプシーだ、といふ話もした。
リフィル・ジプシー。
自分にあつたリフィルがわからず、理想のリフィルを求めて彷徨つてゐる人間を指す。
理想のリフィルがないのだつたら作ればいいぢやあないか。
至極もつともなご意見である。
理想のリフィルの罫線はわかつてゐる。
5mm方眼か6.5mm以上の罫線のリフィルだ。
問題は紙質なのである。
紙質といふか紙の種類といふか。
現在のところ、愛用してゐる萬年筆にしつくりくるのは Moleskine の紙、Smythson の紙、それとトモエリバーだ。
現在使用してゐるリフィルは LIFE の NOBLE REFILL で、いいのだが紙がちよつと厚すぎる。メモはもう少したくさん持ち歩きたい。
ほかに BINDEX のリフィルも試してみた。ペンとの相性は悪くはないが、贅沢をいへばもうちよつと紙が薄いとありがたい。
といふわけで、たどりつくのは Davinci のリフィルなのだが、残念ながら5mm方眼の徳用版がない。
むー。
と、悩んでゐるところに「システム手帳STYLE」だ。
システム手帳に関するムック本である。
期待するなといふ方がムリでせう。
そんなわけで期待して、見事に肩透かしをくらつた、と。
かういふわけだ。
リフィルの記事がまつたくないわけではない。
リフィルを販売してゐる各社の全リフィルが一覧で掲載されてゐるし、各社の主力商品(かどうかはわからないが)の書き比べの記事もある。書き比べの記事では万年筆やボールペンで書いてみてにぢみ具合や裏抜け具合の写真が掲載されてゐる。
リフィルはそれで十分だ、といふことなのだらう。
バインダの方が記事として見栄えがするし、まづ人は外見を気にするものだ、といふことも理解してゐる。
リフィルの記事が地味なものになるだらうことも想像がつく。
でもなあ。
使ひ勝手のいいリフィルがなかつたら、いくら外見のバインダがすばらしいからといつたつて続かないでせう。
それともバインダを使ひたさに使ふだらうか。
使ふかもしれないけれど、長続きはしないだらう。
綴じ手帳にいいものがたくさんあるんだもの。
リフィルについては気になるものをかたつぱしから使つてみるしかないんだらうな。
薄さと萬年筆での書きやすさを求めてゐるのでおのづから選択肢はしぼれてくることだらう。
Davinci で5mm方眼リフィルの徳用版を出してくれれば、悩みはそこで終はるやうもしないではないけれど。
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