2016年7月の読書メーター
2016年7月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:1730ページ
ナイス数:15ナイス
孟子〈上〉 (岩波文庫)の感想
「考えるヒント」に孟子の説く性善説についての文章が出てきたのでまづは上巻から読み返してみた。読み返して「そーいへば孟子先生とは合はないんだよなー」といふことを思ひ出した。へ理屈としか思へない部分があつてどーも。でもそれも弁論の術のひとつなのか知らん。意見の合はない人の意見を聞く(読む)のもまた一興、ともいへる。
読了日:7月5日 著者:
How to Live on Twenty-Four Hours a Dayの感想
この本が想定してゐる読者は、自分では家事を一切しない。仕事は昼食時間も含めて八時間、残業はしない。通勤時間は往復一時間で電車の遅延や道路の渋滞で遅れることもない。それでも参考になることはある、といつたところか。かなり以前から「自分如きが演奏会に行つたり展覧会に行つたとて何になる」と思つてゐる。つづけてゐればいいことあるよ、とは書いてあるけど、それがないから悩んでゐるのに。
読了日:7月7日 著者:ArnoldBennett
ネットカフェ難民―ドキュメント「最底辺生活」 (幻冬舎新書)の感想
著書は、格差とは選択肢の多寡であるといふ。そのことば通り、ネットカフェ難民生活をつづけていくうちに最初は多様だつた内容も次第に単調になつてゆく。おそらくもともとは選択肢の多いこども時代を過ごしたであらう著者にとつて、一ヶ月が限界だつたのではあるまいか。
読了日:7月11日 著者:川崎昌平
詩のトポス 人と場所をむすぶ漢詩の力の感想
詩といふものは昔から人口に膾炙してきた詞章、過去の偉人の詩、そして詠まうとする土地などの影響のもと生まれるもの、といつたところか。著者は別のところで「漢詩といふのは遠くへつれて行つてくれる道具のやうなもの」といふやうなことを云つてゐて、この本を読むと物理的にも時間的にもへだたつたいろいろな場所でさまざまな風景を楽しめる、そんな気がする。
読了日:7月13日 著者:齋藤希史
アミオ訳 孫子[漢文・和訳完全対照版] (ちくま学芸文庫)の感想
ナポレオンが「孫子」を読んでゐたらロシア遠征なんて費留だつてんで即やめてたらうよ、と思はないでもなかつたが、この訳で読んでたらわからないかも。といふか、「孫子」を読んでゐたとしても、人は費留とわかつてゐても戦つてしまふものなんだよなー、とも思ふ。アミオの訳はいまとなつてはダメな翻訳のお手本だが、なんとかわかるやうにしやうと努力したんだらうなあ。
読了日:7月20日 著者:
老子 (講談社学術文庫)の感想
「小国寡民」といふと「スケバン刑事」の沼重三を思ひ出す。沼先生は主人公の麻宮サキに云ふ。「生徒が二人、せめて五人だつたら俺はいい教師になる自信があるぜ」といふ旨のことを。四十人もゐたらどうにもならない。なにごとも大きく多く広くなり過ぎなんぢやあるまいか。多分自分自身が一番。「学術文庫版まえがき」に「本書は、「古典と語り合う」を旨として(「語り合う」に傍点)」とあるのが気に入つた。語り合ふやうにして読んだ。
読了日:7月25日 著者:金谷治
荘子 第1冊 内篇 (岩波文庫 青 206-1)の感想
突然、中学生のときに書き初めの宿題で「猶然笑之」と書いたのを思ひ出した。なんてはづかしい過去。これが「厨二病」といふアレか。中三のときだつたけど。 当時から老荘にかぶれてゐた、といふとエラそーだけど、儒教的な考へ方が好きぢやなかつたんだな。ぢやあ老荘だらうつていふ、短絡的な考へだつた。やつぱりはづかしい。
読了日:7月29日 著者:荘子
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