2016年6月の読書メーター
2016年6月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2058ページ
ナイス数:16ナイス
坂田靖子 ふしぎの国のマンガ描きの感想
もりだくさんの内容でありながら絵の印象からか余白のある印象もあるところが好きだ。この本を読んで、「もりだくさん」の方が正しいのかなと思ひつつ、絵の印象が余白なのはその通りなのかもとも思つた。「誇り高き戦場」、読みなほしたいなー。
読了日:6月1日 著者:坂田靖子
時間 (講談社文芸文庫)の感想
わかんなかつたけど、たとへばかつて見た芝居を思ひ出してつひ昨日のことのやうに感じるのはその芝居を見た時点の現在に自分がゐる、といふことなのだらうか。それならなんとなくわかる。蘇東坡の「赤壁賦」での魏武の書きつぷりが瑞々しくて過去のことと思うてはゐないだらう、といふ、その「赤壁賦」を読んでまるで見て来たかのやうに目の前に光景が広がる気がするのも、その時点の現在にゐるんだらう。あと、自分はあまりにも時計の時間に縛られ過ぎてゐるなあと思つた。
読了日:6月3日 著者:吉田健一
Call for the Dead: A George Smiley Novel (George Smiley Novels)の感想
読んでゐるあひだずつと灰色な印象があつた。それもそんなに暗くはなくて、時折曇つた空のまぶしいやうな灰色だつたりする。「寒い国から帰ってきたスパイ」を読まうと思つてゐたのだが、せつかくだから最初から読んでみることにした。ル・カレとは思へないほど読みやすい。ここからはじめて正解だつたかも。
読了日:6月8日 著者:JohnLeCarre
李白詩選 (岩波文庫)の感想
歌舞伎の大道具に書かれてゐる詩は李白が圧倒的に多い気がしてゐる。それと今回は飯田市川本喜八郎人形美術館で李白の人形が展示されてゐるのであはせて再読してみた。 李白もまた「先帰不相待」なんだけどなー……
読了日:6月11日 著者:
元禄忠臣蔵〈上〉 (岩波文庫)の感想
青果の芝居には舞台面が新歌舞伎とは思へないやうな古体なバランスを持つたものがある。ト書きの端々に「だからか」と思ふことしばしば。「御浜御殿」のやうによく上演されるものでもところどころ現在では見られない場面があつたりするのもおもしろい。小説気分で読めるのもいいのかもしれない。
読了日:6月15日 著者:真山青果
金沢・酒宴 (講談社文芸文庫)の感想
たとへ金澤に行つたとしてもここに書かれてゐることにはなにひとつお目にかかれないし、灘の杜氏に出會ふことがあつたとしてもこんな楽しい酒宴を経験することはない。ゆゑにおもしろい。「酒宴」の七石さんとか四十石さんとかにちよつと頬がゆるむ。
読了日:6月20日 著者:吉田健一
考えるヒント (文春文庫)の感想
読んでゐて「平家物語」を読み直したい気持ちになつた。これが作者の云ふ「批評」なのだらうか。いまはなき分析くんといふサイトで理想の彼氏の上位に登場することが多かつたので、とつつきやすさうなところから読んでみた。
読了日:6月25日 著者:小林秀雄
ソクラテスの弁明・クリトン (岩波文庫)の感想
「巧言令色鮮し仁」といふ。ソクラテスには令色はないかもしれない。しかしあまりにもことばが巧み過ぎてなんだかあんまり徳があるやうに思はれない。でも今の世の中これくらゐちやんと喋れないといけないんだよねー。ここからはじめないと。
読了日:6月28日 著者:プラトン
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