思つたほどは劣化してない
先日、「書く字が劣化の一途をたどつてゐる」といふ話を書いた。
その後いろいろ考へてみたところ、どうやら、嘆くほどの話ではないことに気がついた。
もちろん、うまくなつてゐるわけではない。
全体的にいへばゆるやかに劣化してはゐる。
急激に劣化したと思ふには理由があつた。
Bullet Journal である。
もつといふと、MDノートの方眼用紙だ。
それと普段使つてゐるペンの組み合はせ。
これがいけなかつた。
さう思つたのは、マルマンのクロッキー帳にぼんやりあれこれ書き散らしたときのことだ。
マルマンのクロッキー帳は、萬年筆との相性がいい。
インキもにぢみづらいし、書いてゐて楽しい。
そんなわけで、たまに手に取つては意味もなく魏武の詩や芝居の名セリフなどを思ひ出すにまかせて書いたりしてしまふ。
久しぶりにクロッキー帳にあれこれ意味もないことを書いてみると、前のページにくらべてそんなに悪い字を書いてゐるといふわけでもないことに気がついた。
自分の気の向くままに気の向く大きさの字を書くといふのがいいんぢやあるまいか。
さう思つたのは、方眼用紙に字を書いてゐるときに窮屈に感じることがあることに思ひ至つたからだ。
方眼罫なんか無視すればいいんだけどね。
しかし罫線が引かれてゐると、無視するのはむづかしい。
そんなわけで、最近はMDノートの方眼罫にあはせるやうに字を書いてゐた。
無地のノートを使ふと、どんどん字が小さくなつていくのだが、それは自分の気持ちの赴くままに小さくなつていくので問題ないのだらう。
もうひとつ、MDノートの問題点、といふか、MDノートと愛用のペンとの相性の問題点は、MDノートの紙は吸水性がいいのでインキフローのしぶいペンで書くとちよつとカリカリした書き味になることだ。
カリカリ、あんまし好きぢやないんだよね。
カリカリが好きぢやないならインキフローのいいペンを使へばいいぢやあないか。
ごもつともだ。
ごもつともだけれども、MDノートを使ふまではそのペンで書いて不満はなかつた。
さらに、Bullet Journal にまとまつた文章ではなく箇条書きのメモを書き連ねてゐると、「早く書かなきや」「忘れないうちに書かなきや」といふ意識がはたらくのらしく、とにかくあはてて書きつけることになる。
かうした諸事情が重なつて、字が劣化したやうに感じたのだらう。
いや、実際は劣化してゐるのだと思ふ。
とにかく書かなければとあはてて書いてばかりゐたら、そりや劣化するさ。
月曜日からHIRATAINDERを本格的に使ひはじめた。
ノートリフィルにはLIFEのNOBLE REFILLの方眼罫を使用してゐる。
いまのところ、ペンとの相性はそんなに悪くないやうだ。
ときどき、方眼罫からはなれた方がいいのかもしれないな。
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