2016年4月の読書メーター
2016年4月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:2648ページ
ナイス数:13ナイス
大江戸歌舞伎はこんなもの (ちくま文庫)の感想
歌舞伎座で三部制の月が増えるといふ話があるので、昔はどうだつたのかを確認するために再読。今とは全然違ふが、見取り狂言の「一幕目(時代物)・中幕(所作事)・二幕目(世話物)」といふ基本形の元は江戸前の歌舞伎なのかも。三部制になつたらどうなるのかなぁ。
初読のときは「だから自分は「盟三五大切」が好きなんだなぁ」と思うたものだつた。
読了日:4月1日 著者:橋本治
なぜ時代劇は滅びるのか (新潮新書)の感想
「毒舌」とは思はない。ほんとのことでしよ? 実名を出してゐるから「毒舌」などと云はれるのかな。「真田丸」を見てゐると、一々時代考証を気にしてゐるのがすけて見えるのが気に障るよね。 「物語のパターン化」を問題にしつつ、「越後の縮緬問屋実ハ先の副将軍」とか「貧乏旗本の三男坊実ハ将軍」、「昼行灯実ハ剣の達人」とかをやり玉にあげなかつたのは、かういふ見顕しが視聴者のカタルシスを呼ぶものである(とかつて中島梓は云つてゐた)と思つてゐるからだと信じたい。
読了日:4月7日 著者:春日太一
史記 9 列伝 2 新釈漢文大系 (89)の感想
戦国四君とか屈原とか刺客列伝とか。最後の李斯列伝がかなりずつしりくる。絶頂期に「そのうちダメになる」と予感してゐながらふせげなかつたあたりとかね。刺客列伝を読んでゐると、最近日経ビジネスオンラインで読んだ「(華僑の人は)ダメな社員も切り捨てずに使ふ」話とダブるところがあるなあ、と思つた。
読了日:4月10日 著者:水沢利忠
One of our Thursdays is Missing (Thursday Next)の感想
え、ゐなくなつたのは本物? 前作では頼りなかつた物語のサーズデイのサーズデイつぷりがかつこよくて、「実はほんたうのサーズデイなのでは……」と何度も思つてしまふ。物語のサーズデイが実際の世界に行くくだりの描写がおもしろい。次作はどうなるんだらう。このサーズデイが主役になるのかあるいは?
読了日:4月13日 著者:JasperFforde
真田太平記(三)上田攻めの感想
角兵衛、承認欲求強過ぎ! と、いまなら云はれるであらう。この巻で説明される戦国武将の承認欲求とは違ふ、現代に通ずるもののある承認欲求だ。どうやらこの承認欲求といふものは、わからない人には全然わからないのらしい。きつと角兵衛の周囲の人は「わからない人々」なんだらう。これまで出来杉くんだつた信幸の人間らしい面といふか失態といふかが出てきてこの先の展開が楽しみになるやうになつてゐる。秀吉は趣味のないモーレツ社員だつたのね。なるほどねる
読了日:4月16日 著者:池波正太郎
漢文入門 (ちくま学芸文庫)の感想
漢文とはなにかを定義し、推測も交へつつ訓読の歴史を紹介する本。現在学校教育で教はる訓読方法が用ゐられるやうになつたのは遡ってもせいぜい江戸時代末期で、この本の出版された1968年から見れば百年ちよい前くらゐだ、といふ。なんかどこかで聞いたことのある話だな。
読了日:4月19日 著者:前野直彬
正史 三国志〈5〉蜀書 (ちくま学芸文庫)の感想
順番に読んできて思ふことはといふと、魏書ほどおもしろくない。人材か? 人材の差なのか? それとも著者になにか含むところがあるのか? などと考へてゐるとあやしうこそものぐるほしけれな気分になることだなあ。
読了日:4月27日 著者:陳寿,裴松之
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