しよつ中編んでないとダメ
くつ下を編み始めてしまつた。
Striped Shawl は、四列めに入つて停滞したままだ。先週すこし編みはしたものの、完成にはほど遠い。
ここのところほとんど編んでないよなー。
このまま編まなくなつちやふのかなあ。
しかしなにも編むものがないのは実に手持ち無沙汰なものである。
そんなわけで、急遽くつ下を編むことにしたのだつた。
ところで、あまり編んでゐないといふことは意外な効果を生むものだ。
今回それに気がついた。
効果と書いたが、あまりいいものではない。
まづ、くつ下を編まうと決めて、しかしどの毛糸で編むかを即決められない。
手持ちにどんな毛糸があるか、思ひ出せない。
あれがあつたはず、と思ひつつ探すと、「え、こんなものが?」といふ毛糸のオンパレードだ。
頻繁に編んでゐるときは、どこにどんな毛糸をしまつてゐるかわかつてゐる。
なにを編むつもりでどの毛糸を買つたのかも、だ。
なので、「あれを編みたいなー」と思つたら、即探し出せる。
しよつ中編んでゐるときには、しよつ中毛糸の在庫(stash)を確認するからだ。
最近はずつと Striped Shawl ばかり編んでゐたし、夏のあひだは風工房のストールにかかりつきりで、ほかのものを編んではゐなかつた。
ゆゑに、いちいち stash を確認する必要もなかつた。
そして、Striped Shawl も ストールも、どちらも編むために新たに毛糸を購入してゐる。
いかんなあ。
今回、「くつ下を編みたい」と思つて、stash をあさると、出るわ出るわ、「あー、この毛糸、買つてあつたんだつけー」とか「あー、これはあれを編むつもりで買つた毛糸」、「なにを編むつもりで買つた毛糸だ?」……
stash には「隠したもの」といふ意味がある。
やつがれの毛糸用の棚はまさに stash だ。
隠したつもりはないんだけどなー。
しかし、結果的にさういふことになつてゐる。
かせで買つたくつ下毛糸はだいぶ玉にしたつもりでゐたのに、かせのまま残つてゐるものがたくさんある。
また、くつ下を編むつもりで買つたわけではないくつ下毛糸もある。
くつ下毛糸の多くは洗濯機で洗ふことが可能だ。それでマフラーやショールを編むつもりで買つたものもある。
手袋にするつもりの毛糸もある。
つもりだけで編んでゐないのだから、くつ下を編んでしまへ、とも思ふが、なかなか踏ん切りがつかない。
「とりあへずくつ下でも」と思つて編み始めるものだから、くつ下を編むつもりで買つた毛糸でも「これはちよつとレース模様でも入れて編みたいんだよね」とか思ふと選べない。
いまはそんな模様の入つたやうなくつ下を編んでゐる心のゆとりがないからだ。
それでさんざん悩んだ末、Regia の Crazy Stripe シリーズの赤い色味の毛糸を選び出したのだつた。
ここまでも大変だつたが、この先も大変だつた。
「くつ下でも編まう」だから、どんなくつ下かは決めてゐない。
単にメリヤス編みのくつ下を編まうか。
あるいはゴム編みとか。
それでもいいんだけど、でも編みたいくつ下は山とある。
そんなわけで、編みたいものリストを見返すのだが、これがまた一仕事なのだつた。
編みたいものが多すぎるからだ。
しかも、「これがいい!」と思つても、選んだ毛糸とあはなかつたりする。
毛糸にあつても「いまはこんな複雑なものを編む余裕がない」といふことになつたりもする。
一応、編みたいものリストは「くつ下」とか「手袋(ミトンや指無し含む)」とか「ショール」とかカテゴリわけはしてゐるんだけどね。くつ下、やたらと多いんだよね。
そんなわけで、結局 Jaywalker を編むことにしたのだつた。
Jaywalker はこれで三足めかな。
四足めかもしれない。
脚の部分を長く編んで、ヨガソックスみたやうな感じにしやうかな。
でもここのところヨガソックスばかり編んでゐたから久しぶりにかかとやつまさきのあるくつ下を編んでおかうか。
編まないと忘れるからね。
Jaywaker は五本針で編むのがおすすめだ。
四本の針の一本一本がそれぞれ一模様になるからだ。
各針の編み始めと編み終わりとに増し目があり、中央に三目一度の減らし目がある。
この減らし目を勘定し間違へると悲惨なことになる。
だからまつたくの mindless knit といふことはないのだけれど、でもまあ、mindless にかなり近いとは思ふ。
昨日、「真田丸」を見ながら編んでみてさう思つた。
そんなわけで、しばらくは Jaywalker を編むつもりだ。
« 「死者の書」の人形の目線 | Main | knitの逆がtinkなら »
Comments