毛糸でむやみにタティングレース
極細毛糸でタティングレースをしてゐる。
パピーのNew 2Ply が四玉ほど出てきたので、なんとなくタティングシャトルに巻いて、なんとなく結んでゐる。
なににするといふことはないのだが、なにかせずにはゐられないのだ。
さきごろ田中八重洲画廊で開催された「藤戸禎子 盛本知子 タティングレース展」に行つた際、藤戸禎子が「主婦の友」で一等をとつたといふ極細毛糸で作つたショールが展示されてゐた。
それを説明してゐた人が、「いまのベビー毛糸では作れないんですよ」と云つてゐた。
なんでも糸が弱すぎてシャトルに巻く時点で切れてしまふ、といふ話だつた。
そのときに「ベビー用の極細毛糸はさうなのかなー。パピーのNew 2 Plyなら大丈夫なのに」と思つた、といふ話はこの展覧会に行つたときに書いたとほりである。
かつて、パピーのNew 2 Ply でタティングレースのスカーフを作つた話は何度かここにも書いてゐる。
京都南座の顔見世に巻いていかうといふので作つたものだつた。
この写真とまつたくおなじモチーフをつないで、百枚もつなげばスカーフになるだらうといふので作り始めた。
一日一枚作れば四ヶ月もあればできると計算してゐた。
実際には七十枚を手前にして希望してゐた長さに達したのでそこで終はりにした。
なぜ毎回このモチーフなのかといふと、毛糸にはこのモチーフが向いてゐると思ふからだ。
糸玉からの糸とシャトルの糸とで作るモチーフなどもちよつと試してみたけれど、シャトルひとつでできるものの方が毛糸には向いてゐる。
すくなくともやつがれはさう思ふ。
単に毛糸に向くモチーフを見つけられてゐないだけなのかもしれないけどね。
毛糸でタティングする楽しみとはなんだらうか。
レース糸よりも毛糸の方が糸に伸縮性がある。
この伸縮性が余白のやうなものを生み出す。
かつちりできない分、そこに遊びが生じる。
この遊びの部分が楽しいし、どこかゆつたりした気分にもなる。
ついでにこれは以前から書いてゐることだけれども、毛糸の方が糸端の始末が楽だ。
けもけもした部分がからみあふのでほどけづらくなるからだ。
毛糸はレース糸よりも撚りが弱いし、しかもS撚りだから、タティングしてゐると次第に撚りがほどけてくる。
レース糸だと気になるが、毛糸だとほどけてきたときに撚りあはせた糸と糸ととのけもけもした部分がふんはりとからみあつてゐて、これはこれで趣がある。
かつちりしたものを作りたいときには向かないが、なんとなくふんはりしたものを作りたいときにはいいんぢやないかなあ、毛糸でタティング。
といふわけで、意味もなく昼休みの残つた時間にこんなものを作つてゐる、といふわけだ。
時計をぶらさげてゐるタティングレースのチェーンの糸が弱くなつてきてゐるので、この連休は代はりになるものを作りたいのだが、はたしてどうなることやら。
時計のチェーンの方は、マクラメになるかもしれないなー。
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