2016年3月の読書メーター
2016年3月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:1516ページ
ナイス数:18ナイス
平家物語 (下巻) (角川ソフィア文庫)の感想
こども向けの「平家物語」とはだいぶ異なる部分がある。義仲は「腹の皮がやぶれるほど食へ」とは言はないし、重忠は愛馬を背負つたりしない。景時が結構いい人。ここら辺はもしかするとほかの版にあるのかはたまた「吾妻鏡」とかなのか。上巻では富士川の合戦の伏線(実盛の脅し)がおもしろいなあと思つた。下巻はやつぱり熊谷かな。実際にさうだつたんだらうけど、まづ我が子の戦での怪我があつて、それから敦盛といふのがきいてゐる。
読了日:3月2日 著者:佐藤謙三
SFまで10万光年以上の感想
なぜ自分がおたくになれないのか、おたくではないのかがよくわかる本。また、おたくではないのにおたくつぽいと思はれることがあるのは、引用好きだからなのかー、とうなづきながら読む。この本も引用したい部分ばかりだし。巻末の大森望と岡部いさくとの対談ではこの本自体が引用だらけなのださうだけれども。四年前のオリンピックのときの記事の〆が「たぶん4年後にも…(略)おんなじこと考えるんだろうなー。」で、「さうだよ、四年後の今年、またおんなじことを考えてゐてほしかつたよ」とちよつとしんみりしてしまつた。
読了日:3月13日 著者:水玉螢之丞
First Among Sequels: Thursday Next Book 5の感想
前作で主人公は(といふか主人公のある一形態といふか)は、これから先経験することはすばらしい、みたやうなことを云ふのだが……いやー、つらい。これ、つらいよ。だからこその夫や息子からのことば、なのかもしれないけれど。
読了日:3月15日 著者:JasperFforde
赤頭巾ちゃん気をつけて 改版 (中公文庫)の感想
「みんなを幸福にするにはどうしたらいいのか」と「馬鹿ばかしさのまっただ中で犬死しないための方法序説」それと韜晦の三手法とが初読のころ強く印象に残つた。読み返してみると、「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」を知つたのはこの本だつたし、冒頭の「世界中の電話という電話は、みんな母親という女性たちのお膝の上かなんかにのっているのじゃないか」なんてあたりも「ああ、さうだつたさうだつた」といふ感じだ。あとがきからさらに時間がたつて、いまはもう電話は個人個人が持つものになつてしまつたけれど。
読了日:3月19日 著者:庄司薫
コーヒーの科学 「おいしさ」はどこで生まれるのか (ブルーバックス)の感想
コーヒーの入れ方を「お作法」にしてしまふのは日本だけなのだらうか。入れるたびに「もつと気楽に入れてもいいんぢやないか」といふ気がしてならない。でも作法にすることで、コーヒーを入れる段階から気持ちを鎮めることができるといふ効用もある気もしてゐる。集中するといつてもいい。別段この本にさうしたことが書いてあるわけではないが、読んでゐてちよつと疑問に思つたので記してみる。
読了日:3月28日 著者:旦部幸博
真田太平記(二)秘密の感想
まだこの先長いのに、伏線といふか「この後出てくるぜ」といふ内容が多くてちよつと閉口する。覚えてられないつて。Kindleだからそのときになつたら後戻りして検索かければ済む話か知らん。
読了日:3月30日 著者:池波正太郎
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