芝居離れの予感
ここのところ土曜日に予定が入つてゐることがつづいてゐる。
以前はそんなことはなかつた。
月に一度か二度芝居を見に行つて、あとは土日とも予定がないことが多かつた。
出かけるのが好きではないんだな。
ひとりでぼんやりする時間が必要でもある。
「ぼんやりする時間が必要」といふ話は先日書いた。
できるだけ人に会はず、家族とも顔をあはせないやうにして過ごす時間がほしい。
こんな状態だから、そのうち芝居も見に行かなくなるだらうと思つてゐる。
出かけるイヤさと芝居が見たいといふ気持ちとを天秤にかけて、「出かけるのがイヤ」の方が強くなつたら自然と行かなくなる。
そもそも、好きな演目を「この役者で見たい」といふものがあまりない。
いや、いまはある。
いまは、「逆櫓」を播磨屋と松嶋屋とそれぞれ見たい。
「九段目」の本蔵もいい。
でも、その先が思ひ浮かばない。
たとへば、このふたりでなかつたら誰で樋口や本蔵を見たいだらうか。
ゐないんだなー、これが。
ほんたうは萬屋で政岡とか揚巻とかを見てみたい。
だけどそんな配役はまづあり得ない気がする。
あの劇団でこの二役をやるとしたら、もう決まつてゐるからね。
などと云ひながら見に行くことがあるとしたら、それは多分役者を見に行くのではなくて芝居を見に行くのだらう。
さうなると、いまよりもつと見方が辛辣になるだらう。
好きな役者が好きな役を演じてゐれば見方もあまくなるだらうけれど、さういふのが一切なくなつてしまふんだからね。
そんな見方をしておもしろいだらうか。
まあ、いまでもそんな気がないわけではない中見てゐるので、おもしろくないこともないだらう。
先の話などしても意味がない。
そのときになつてみないとわからない。
そのとほりなんだけれども、でも「そのとき」はもう間近に迫つてゐる。
そんな気がする。
とりあへず、三部制になつたらそのうちの一部は見に行かなくなるだらうしね。
二部制の現在よりもチケット代の合計が多くなるからだ。
案外かういふところから芝居離れがはじまるのかもしれないなあ。
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