睡眠不足の理由
好きなことができると、睡眠不足になる。
去年の夏、劇団☆新感線の「五右衛門vs轟天」にすつかりまゐつてゐたころがさうだつた。
別段なにをするといふわけではないのだが、なんとなく夜になると気分がもりあがつてしまつて、なかなか寝付けなかつた。
そもそも布団に入らうといふ気にならなかつたし。
暑かつたから、といふのももしかしたらあるのかもしれない。
この状態は十一月くらゐまでつづいた。
「五右衛門vs轟天」を見るまでは、自分なりに早寝早起きをするやう心がけてゐた。
心がけてはゐて、それでも思ふやうには早寝できずにゐた。
「五右衛門vs轟天」を見て以降、早寝がほぼできなくなつた。
しやうといふ気すら起きない。
「なにかを好きになるつてかういふことなんだなあ」とこの期に及んで気がついたものだつた。
あみものにしたつてさうだ。
あみものにはまると、延々延々編み続けてししまつて睡眠がおろそかになる。
タティングレースや紡ぎにしても然り。
とにかくなにか作つてゐたい。寝る間も惜しい。
惜しんだところでなにかすばらしいものができあがるといふわけではないのに、それでもつひ「あと一段」とか「あと一模様」とかがんばつてしまふのだ。
いや、「がんばる」といふ感覚はない。
とにかくやりたいのである。
本もさうだらう。
読み始めた本がおもしろすぎて、やめやうにも止まらない。
巻置く能はずとはまさにこのことだ。
人は好きなことに関してはムリをしてしまふ、といつたのは森博嗣だつたか。
三十八度も熱を出せば仕事を休むが、好きなことについては四十度の熱があつてもやつてしまふ。
いかんなあ。
好きなことを好きなやうにするには、なんだかんだいつて早寝早起きをした方がいい。
寝不足の状態がつづくと好きなことさへ好きなやうにはできなくなつてしまふ。
できなくなつてしまふのにムリにやるからなほいけない。
わかつちやゐるけどやめられない。
青島幸夫は天才だなあ。
といふわけで、最近は毎晩のやうに過去の時代劇の動画なんぞを見てしまつていけない。
「人形劇三国志」だつてちよこちよこだが見てゐるといふのに。
やめなきやなー。
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