風が吹けば
あたたかくなつてしまつた。
と、昨日も書いた。
土曜日このかたあたたかくて、指先のあれてゐたのがなんだかすつかりよくなつてゐる。
あたたかいつて、すごい。
これで絹糸を使へるだらうか。
そんなことを考へてゐる。
ほぼ毎年十二月、京都南座に顔見世興行を見に行く。
以前はそのたびに高島屋で都羽根の絹穴糸を購入してゐた。
都羽根の糸は、そこでしか見たことがなかつたからだ。
年によつて求める糸もさまざまで、やたらと派手な色ばかり買つてゐる年もあれば、落ち着いた地味な色ばかり買つてゐる年もある。
ここ二三年買つてゐないのは、高島屋に寄つてゐる時間がなかつたからだ。
あと、これ以上買つてもな、といふのもある。
さらには、買ひに行くと必ず店員さんに声をかけられてしまふから、といふのもあるかもしれない。
推測なのだが、絹穴糸を求める人は、最初からほしい色が決まつてゐるのぢやあるまいか。
この服地のボタンホールにふさはしいのはこの糸、といふ感じで。
こちらはといふと、タティングレースに遣ふつもりなので、「こんな色を買はう」と考へて買ひに行くわけではない。
お店で見て、気に入つた色を買ふ。
多分、さういふ客は少ないのだらう。
そんなわけで、毎年四枚とか五枚とか増えてゐて、増えたわりには使はないままここまできてしまつた。
冬の間は絹糸があれた指先にひつかかるからといふので使ふことなど考へてゐなかつた。
ここはひとつ、絹穴糸を取り出してくるべきだらうか。
といふのも、この週末、マクラメをやらうと思つてビーズの在庫をひつくり返してみたところ、マクラメ用の糸にとほるサイズのビーズに乏しいことが判明したからだ。
やつがれが持つてゐるマクラメ用の糸には、おそらく丸大以上のサイズでないとビーズがとほらない。
丸小でもいけるかなあ。いけるのもあるかもしれないけれど、とほらなかつたら泣くものなあ。
そんなわけで、ひとまづはビーズをいれずに結ぶ練習などしてみた。
丸小だのスリーカットだののビーズをあしらつて、絹穴糸でタティングしてみやうか。
そんな気分になつてゐる。
気分だけだけどね。
春だなあ。
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