タティングシャトル一つだけ
年賀状に用ゐる予定のタティングレースのモチーフは、ほとんど増えてゐない。
昨日のエントリに書いたやうに、思はぬ休みがあつて職場に行かない日が多かつたからだ。
タティングは昼休みのあいた時間にするやうにしてゐる。
ゆゑに昼休みがないと進まない。
道理である。
ここ二三年、年賀状に貼りつけるために、Jon Yusoff の本を見て作りたいと思ふモチーフを作つてきた。
六角形のモチーフばかり掲載されてゐる本である。The Twirly が載つてゐるのもこの本だ。
ほとんどのモチーフではタティングシャトルを二つ使ふやうになつてゐて、中にはスプリットリングで段を上がつて糸を切らずにすませるものや、SCMR (Self Closing Mock Ring) を用ゐたものなどもある。
普段あまり使はない技法をたまさか使ふのも悪くない。楽しいものである。
でも今年は、シャトル一つでできるモチーフを中心に作つてみやうかなあ。
そんなことを考へてゐる。
シャトル一つといふのは、ほんたうにシャトル一つだけでできるモチーフのことだ。
糸巻きからの糸は使はない。
糸を切らぬやうにスプリットリングで段を上がることはするけれど、このとき糸端にはシャトルはつけない。手でスティッチを作る。
実際、先日載せた写真のモチーフもさうやつて糸を切らずに作つた。
シャトル一つといふと、藤重すみの本が思ひ浮かぶ。
しかし、いまのところ参照してはゐない。
現在は Mary Konior の _Tatting with Visual Patterns_ に載つてゐるモチーフを作つてゐる。
この本にはシャトル一つでできるモチーフが三つほど掲載されてゐて、40番の糸で作るとちやうどいい大きさにできあがるからだ。
しかも、モチーフは写実的ではない。
世の中には、写実的な作品を好む人とさうでない人とがゐる。
きつぱりとわかれてゐるわけではなくて、どちらかといふと写実的なものが好き、どちらかといふと抽象的なものが好き、といふ感じだ。
やつがれは明らかに抽象的な模様が好きだ。
だからクロススティッチはしない。クロススティッチにも抽象的な図案はいくらもあるけれど、見たときになんの模様かわかる図案が多いやうな気がするんだよね。ディズニーのキャラクター、とかさ。
刺繍は苦手のやつがれがスウェーデン刺繍だけはちよこつとやるのは、図案が抽象的な模様だからだ。スウェーデン刺繍で見てなんだかわかる模様といふのは見たことがない。
あみものも同様で、編み込み模様などでも見てすぐに何かわかる模様よりは、幾何学模様のやうな単なる図形のつらなりのやうな模様が好きだ。
タティングレースでも、見て雪だるまだとか貴婦人だとか、即わかるモチーフがあるけれど、さういふものはあまり好きではない。
竜とかタツノオトシゴのモチーフは例外的に好きだけれどね。
いまの時期、海外のタティングレースサイトを見ると上にも書いた雪だるまや天使、ときにはサンタクロースといつたクリスマスに関連したモチーフの写真をよく見かける。
季節ものはいいな、とも思ふ。
でも年賀状にサンタクロースや天使はそぐはない。
許されても雪だるまくらゐだらう。
そして、雪だるまを作るくらゐなら、普通の丸いモチーフを作つた方が楽しさうな気もする。
見方次第でなんにでも見えさうなモチーフの方が、ね。
何度か書いてゐるやうに、もう年賀状を出すのはやめてしまはうかとも思つてゐる。
でもモチーフがたまつたら出すだらう。
作りためたモチーフの使ひ道が思ひつかないからね。
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