日々是リヴェンジ
新たに編みはじめるものが決まらなかつたので、夕べはタティングレースの作りかけに着手することにした。
しかし。
いきなり12目くらゐ間違へて作つてしまつて、がつくりしてしまつた。
なんとかほどいてよくよく見てみたらこはいかに。
なんと、一番最初の部分で間違へてつないでゐるところがあるぢやあないか。
とほほ。
完全にやる気を失ひ、昨夜はそのままなにもしなかつた。
作つてゐたのは、Mary Konior の Black Magic だ。
五月か六月に飯田に行つたときの道中のおともだつた。
その後、時折手に取つてはちまちまと作りつづけてゐたのだが、ああ、なんといふことでせう、一番最初の三弁と次の一弁とをつなぐところで間違つてゐるとは……。
あーあ。
なぜいままで気がつかなかつたかね。
もう最後の二弁を作るところまで来てゐたんだよ。
うーん。
ぐるりとほどいて戻るには、人生は短すぎる。
ところで、Black Magic である。
Black Magic は Tatting with Visual Patterns といふ本に掲載されてゐる栞だ。
いくつ作つたかわからないくらゐ作つた。
「Black Magic Tatting with Viaul Patterns」でWeb検索をかけると画像がたくさん出てくる。
みんな思ひ思ひの色で作つてゐる。
中にはこの栞をもとに十字架型の栞を考案した人もゐる。
ええ、作りましたとも、過去に。
大きくなりすぎて栞としては使へなかつたけどなー。
なぜおなじものを何度も作るのか。
なにか手持ち無沙汰のときになにも見なくても作れるからだ。
でも Black Magic を作りはじめるといつも思ふんだよね。
これ、案外手間のかかる栞だつたよな、と。
作りはじめて後悔して、喉元すぎれば熱さ忘るる、といふことだ。
Tatting with Visual Patterns にはほかにも栞や栞になりさうな作品が掲載されてゐる。
なのになぜ Black Magic を選んでしまふのか。
先ほどの答へと矛盾してゐるかもしれないが、手間がかかるから、だな。
ちよつと手間のかかるくらゐのものの方が作つてゐて楽しい。
年がら年中さう思ふわけでもないが、さう思へるときもある。
とくに今回の Black Magic は長い道中の供と考へてゐたので、多少の手間はむしろ歓迎するところだつたのだらう。
Black Magic は何度も作つてゐる。
しかし、満足できた出来ものはひとつもない。
ゆゑに何度も作つてしまふのかもしれないな。
今度こそは、とか思つて。
といふわけで。今夜からどうしやうかと悩んでゐる。
もう一度 Black Magic に挑戦するか。
それともここはなにか別なものを作るか。
さて。
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