糸端の始末とInnovation
The Twirly をつなぐプロジェクトは、おそらく年内には終はらない。
久しぶりなので、説明しやう(富山敬の聲で読むこと)!
The Twiry とは Jon Yusoff のデザインしたタティングレースのモチーフだ。六角形で風車のやうな形をしてゐる。
このモチーフをたくさんつないで最終的にはちよつと壊れた大きな六角形を作る、それが「The Twirly をつなぐプロジェクト」だ。
昨日、できあがつたところをちよつと広げてみたら、だいぶ形になつてきてゐた。
かうして見ると、ちよつとやる気も出てくる。
完成形は自分の脳内にしかない。
したがつて作るしかない。
本やWebで見たものなら、たまに完成形を確認して「かうなるんだな」とやる気を刺激することもできるけれど、今回はさうではないんだよなあ。
幾度か書いてゐるやうに、もともとやつがれはモチーフつなぎがそれほど好きではない。
やつてみたいとは思ふけれど、挫折することが多い。
いちいち糸端の始末が発生するといふのがその理由だ。
昨日も書いたとほり、ドミノ編みのいいところは編みながら糸端の始末をできることにある。
このことについては、残念ながら本邦で発売されてゐるドミノ編みの本には出てこない。
なぜ説明しないのかなあと不思議でならない。
編みながら糸端の始末をできる方法を書いておいてくれれば、もつとドミノ編みをする人が増えるのではないかなあ。
なにを隠さう「ヴィヴィアンのドミノ編み」を買つてはじめてドミノ編みをした時の印象は、とにかく「糸端の始末がつらい」だつた。
あと編むのが遅かつたから、なかなかできあがらないといふのもあつた。
編み上げるのに時間がかかる上に糸端の始末も大変ときたら、そらー編まないだらう?
ところが、Domino Knitting ではちやんと編みながら糸端を始末する方法を説明してゐる。
かうなうてはかなはぬかなはぬ、だよ。
ドミノ編みの糸端の始末についてもここに何度か書いてゐる。
ドミノ編みの本を見つけて編み始めて「糸端の始末が不便なんだよねー」と思つてやめてしまふ向きもあるかと思つて、たまに書いてしまふ。
すまん。
「そんなことないんだよー、ドミノ編みは糸端の始末、かんたんよー」といふことを知らしめたくて、つひ。
まあ、毛糸でないとそれもむづかしいかとは思ふ。綿とか絹とか滑りやすい糸の場合は、やはり追加でなにかしないといけないとは思ふがね。
タティングレースの糸端の始末についてもたびたび書いてゐる。
タティングレースについては、先達がいろいろと研究してくれてゐるし、Youtube に動画をあげてくれてゐる場合もあるので、「なんとかしたいんだけど」と思つて検索をかければなんとかなつたりするものだ。
やつがれも以前も書いたとほり、作りはじめは The Complete Book of Tatting に説明されてゐる方法で始末してゐるし、作り終はりは Magic Thread を使ふことが多い。
The Twirly をつなぎつづけてゐられるのも、作りながら糸端の始末をできるからだ。
しかし。
世の中には糸端の始末が苦にならないといふ人もゐるんだよねえ。
たいへんな数のモチーフをつないだ作品を作つておいて、糸端の始末が楽しいとおつしやる。
うーん、信じられん。
さういふ人には、必死になつて「如何に糸端の始末をかんたんにらくちんに済ませるか」に血道を上げてしまふやつがれのことなど理解不能なのだらうなあ。
なんだかうらやましい。
でも、不便を感じるところにこそ innovation への道はあるんだぜ、と思ふことにしたい。
まあ、innovation とか、好かぬけどね、やつがれは。
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