太めの糸も悪くない
かつてタティングレースでマフラーを作つたことがある。
この話も何度か書いてゐる。
京都の顔見世に合はせて毛糸で作つた。
しかし、京都の冬はタティングレースのマフラーでは寒すぎるし、室内はマフラーをするほどでもない。
顔見世に用途を絞るのなら、毛糸ではなくて普通に綿のレース糸にすればよかつた。或は絹の糸。
タティングレースなので、マフラーといふよりはスカーフかな。
Puppy New 2Plyで作つた。
毛糸でタティングをするのは案外楽しいものだ。
なにしろ端糸の始末が楽である。
毛糸がもけもけしてゐるので、ちよつとくぐらしただけで毛同士が絡み合ひ、ほどけにくくなるからだ。
毛糸でタティングをする時の問題は糸の引き加減、かな。
毛糸はなにしろのびるからね。
ちやうどいい引き具合といふのが結局このときは最後までつかめなかつたやうに思ふ。
毛糸でタティングをしてゐてなにが楽しかつたかといふと、結び目がふつくらするところだ。
ダブルスティッチの見た目がふつくらするんだよね。
綿のレース糸にはないと思ふ。
綿のレース糸でも太い糸ならちよつとはふつくらした感じになるかなあ。
でも、見るからにやはらかさうで弾力があつて、もしかしたら中に何か入つてゐるのかも、と思はせるのは毛糸の方だと思ふ。
タティングレースをする人は、どうもどんどん細い糸を使ふ傾向にあるやうに思ふ。
最初はエミーグランデや国内の40番手ではじめた人々も、次第にDMCなどの40番や80番、100番を使ふやうになる。
何年か前に越前屋がコロンの160番を復活させてゐたけれど、いまでもあるんだらうか。
気持ちはわかる。
タティングレースは結び目で作るレースなので、太い糸だと結び目がごろんとしてしまつて、いまひとつ dainty といふ感じではなくなつてしまふのだ。
細い糸で作れば、目が不揃ひでも太いレース糸のときほど目立たないし、可憐に仕上がる。
でもなー、エミーグランデくらゐの太さの糸で作つたタティングレースものも好きなんだよなー。
結び目がはつきり出るところがいい。
このダブルスティッチが好きなんだよ。
さう思ふ。
そんなわけで、毛糸でタティングもしてみたいのだが……
可処分時間が圧倒的に足りなくて、な。
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