なにが作りたいのか
タティングレースをはじめたのは、人形の服用のレースを作れないかと思つたからだつた。
過去にも書いたかもしれない。
もともと、やつがれはかぎ針でレースを編むのが好きではなかつた。
なんか、役に立たなそーぢやん、ドイリーとかつて。
それに、家には先達の作つたドイリーやテーブルランナーがすでにあつて、自分が作つたものを置く場所もなささうだつたし。
それが、リカちやんやジェニーの服を編むやうになつて、レース針やレース糸を使ふやうになり、それぢやあといふのでかぎ針でレースを編むやうになつた。
しかし。
自分に編めるていどの太さの糸では、人形用としてはいかにももつさりしすぎてしまふ。
オリムパスやダルマの40番糸で、ドイリーを編む要領でスカートを編んだりするのはなかなかいい感じだ。
でもエジングとしてはどうにも大きくなりすぎてしまふんだよね。
当時、藤重すみの「かわいいタッチングレース」が発売されたばかりで、手芸店でよく見かけた。
クロバーのタティングシャトルもモデルチェンジしたばかりだつたらしく、これまた店頭におかれてゐた。
そんなわけで、タティングレースをはじめてみて、糸をフリップすることを理解できずに一週間くらゐ過ごし、その後「シャトル二つ遣ひ」と「スプリットリング」の違ひがわからずにまた一ヶ月くらゐ過ごすことになる、といふ話は何度か書いてゐる。
「かわいいタッチングレース」の解説ページによると「シャトル二つ遣ひ」は「スプリットリング」だつたんだよね。
その後、藤戸禎子の「華麗なるレース タッチングレース」を購入して、やつとシャトル二つ遣ひにもスプリットリングではない方法がある、といふか、そちらが主流、といふことを知り、やつとやつがれのタティング人生ははじまるのだが、これまたすでに何度も書いてゐるとほりだ。
さうやつて、タティングレースを楽しむやうになつて、やつと「これは自分の求めてゐたものとは違ふ」といふことに気がつくことになる。
タティングレースで人形の服用にエジングを作るつて、ちよつと無理。すくなくともやつがれにとつては。
80番手の糸でもなんか太いもんね。
横浜人形の家に行くと、ビスクドール用のレースのくつ下が展示してあつたりして、これが実に細い糸と針とで編まれてゐる。
これくらゐの細さを扱ふことができないと、自分が求めるものを作ることはできない。
といふわけで、その時点ではあつさりタティングレースで人形用のものを作るのはあきらめた。
のちに、試みにモチーフつなぎにしたものをスーパー・ドルフィー用のショールにしたりはしたけれど、それ以外では人形ものを作つたことはないなあ、タティングレースでは。
海外のサイトなどを見ると、バービー用にタティングレースでレースのヴェストを作つてゐる人もゐる。
さういへば、日本ヴォーグ主催のジェニー展か何かで、タティングレースのドレスを着てゐるジェニーがゐたなあ。
どちらも見てすばらしいとは思つたけれど、それも自分が作りたいものではなかつた。
自分はなにが作りたいのだらう。
現在は、「The Twirly をつなぐプロジェクト」をあひかはらずつづけてゐる。
これは自分の作りたいものだ。
さう思ふ。
でも、タティングレースをはじめたときに作りたかつたもの、あれはなんだつたんだらう。
いまとなつてはもうわからない。
気が向いたら人形用になにか作つてみるかなあ。
ドイリーをオーバースカートとかにしてみるとか、いいかもしれないよなあ。
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