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Thursday, 06 August 2015

手書きなら「死霊を添付します」は起こり得ない 多分

手書きとキーボード入力とどちらがいいか。

十年くらゐ前なら「キーボード入力」と云つてゐたと思ふ。
いまは手書きかな。
時と場合とにもよるけれど。

手書きのなにがいいかといふと、漢字変換ミスがないことだ。
みづからの能力が低いため、誤字脱字が発生するのは仕方がない。
でも「死霊を添付します」なんてな間違ひは、手書きならまづ発生しない。
「漢字」と「感じ」とだつてまづ間違へない。
「死霊を添付します」はそれはそれで職場での一瞬のオアシスにはなるんだけれどもね。

また、送りがなの送りかたも手書きの方が一定にしやすい。
一定といふか、内閣訓令の送りがなのつけかたに従はうとしてなんだか妙なことになつてゐるきまりに従はうとしたら、IMEでは対応できない。

たとへば、こんな感じだ。

複合語は、動詞として使用する場合はすべての漢字に送りがなをつける。
例 受け付け
名詞として使ふ場合は、最後だけ送りがなをつける。
例 受付け
他の単語と連結して使ふ場合は送りがなをつけない。
例 入会受付
これ、できる? ATOKとかならできるのだらうか。
さらに「慣用が固定してゐると認められる次のやうな語は、原則として送りがなをつけない」などといふ例もある。
上の例に従ふなら、「振込み」が正しい場合でも、社内では慣用的に「振込」を使つてゐるから、などといふことも起こる。

漢字変換だと前に変換した候補やよく使ふ候補にひきずられて、「受け付け」にしたいのに「受付け」になつてしまつたり「受付」になつてしまつたりといふことは起こり得る。
手書きなら、「ここは動詞だから」とか「ここは名詞として使ふから」とか「ここは複合語だから」と、自分の判断で送りがなを送ることが可能だ。

「それは送りがなの決まりが悪い」といふのは簡単で、なんだかわからない社内のえらいところから「かうせよ」と来たら、さうせざるを得ない。
相手が客ならなほさらだ。

ほかにも、「ここは旧漢字を使ひたいんだよねえ」と思つたら一々スペースキーを何度も押さなくてもいいとか、「ゆゑに」と打ちたいときに「ゆ」と「ゑ」と「に」とをそれぞれ無変換・変換・無変換とかにしなくていい、とか、手書きにはいいことがいろいろある。
やつがれにとつては。

キーボード入力の方がいいことももちろんある。
たとへば、いま打つてゐるのはblogのエントリなので、最初からPC(やつがれの場合はポメラ)に打ち込んだ方が早い。

おなじやうな文言が何度も出てくるものもキーボード入力の方がいい。コピー&ペーストがきくからね。

また、打つ内容が決まつてゐるものもさうだ。
悩まずに文章が出てくるやうなときはキーボード入力の方がいい。
書きながら迷ひ、すでに書いた部分を何度も見返すやうな場合は手書きの方が向いてゐる。
長い巻物をたどつて見るよりは、ページをぺらぺらめくる方が確認しやすい。

以上は、現在のやつがれの個人的な見解である。
以前は「絶対キーボード入力」と思つてゐた時期もあるので、今後また意見の変はることもあるだらう。
英語でものを書くやうになつたとしたら、圧倒的にキーボード入力がいいと思ふやうになるだらうしね。

英語でものを書くやうになる日などやつてこないとは思ふけどね。

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