かかとはきつめに
あひかはらずくつ下を編んでゐる。
現在二本めのかかとができたくらゐだ。
かかとは Wrap & Turn にした、とは前回書いたとほりである。
「ウェンディさんのつま先から編む靴下」にある編み方、といへばご同好の士には通じるだらうか。
ウェンディさんのくつ下つて、もう十年近く前の話なのか。
ちよつと気が遠くなるな。
当時は表目側で Wrap & Turn をうまく解消できないとか、そもそも穴が大きすぎるよ、といふことで悩んだものだつた。
表目側でうまくできなかつたのは、Wrap した糸に針を差し込む方向が間違つてゐたからだつた。
穴は、ねえ。これはあくんだらうと思ふ。
岡本株式会社の手編み靴下コンテストを見に行つて、さう思つた。
本邦で一般的な引き返し編みの方法で編んだものでもかなり穴が大きかつた。
これも2006年の話か。
今回のくつ下は、つま先から Figure 8 の作り目で編み始めた。したがつてつま先部分はふつうに編んでゐる。
あ、一本めを編むときに五本針で Figure 8 の作り目で編み始めたらものすごく苦労したので、今回はなるべくゆるめに目を作つてみた。針と針とのあひだに指をはさんで、はなれるやうにしたのだつた。
ゆるく作つても、編んでゐるうちに目がしまつてくるやうだ。
今後は四本針や五本針でこの方法を使ふときにはかうしやう。
Wrap & Turn なのはかかとだけ。
ゆゑに、かかとはかなりきつめに編んでゐる。
今回のくつ下編みの目標のひとつは、「きつく編まない」だ。
くつ下毛糸を0号針で編むと、自然と手がきつくなつてくる。
やつがれはそれでもかなり手のゆるい方だと思ふのだが、それでも編んでゐて段々手がきつくなつてゐるなあ、と感じる。
きつくてもいいんだけどね。
編み地は伸縮性が高いから、多少きつく編んだところで問題はない。
むしろ、きつく編んだ方がいいのかもしれない。
きつく編めば、とりあへず目はそろふしね。
でもそれぢやあ楽しくないんだよね。
といふ話はここで何度もしてゐる。
この話を書くたびに Elizabeth Zimmermann の話を引き合ひに出してもゐる。
きつく編んで目をそろへても、つまんないぢやん、とね。
せつかく手編みなのだし、ここはできるだけ手に力を入れないやうにして編んでみやう。
さう思つて編み始めて、まあまあうまくいつてゐるんぢやないかな。
0号針を使ふことで自然と目が小さくなつてゐるはずだし。
さうやつてできるだけ力を入れずに編んだくつ下は、ふんはりとやはらかい履き心地がする。
気のせゐかもしれないが。
しかし、かかとだけは、なあ。
かかとだけは、どうしても手がきつくなつてしまふ。
しつかり編みたいといふ気持ちと、Wrap & Turn の場合はとくに引き返し編みを解消するときに穴をできるだけ小さくしたいといふ気持ちとがあるからだ。
かかとをしつかり編んでおくと、脱げにくいくつ下になるしね。
履き口をきつめに編むよりもかかとをきつく編む方がおすすめである。
かかとがフィットするので、ずれて脱げたりしなくなるからだ。
履き口をきつく編むと、糖尿病とかで血行の悪くなつてゐる人には履かせられないしね。
以前よく海外の Knitters が「糖尿病の親類のためにくつ下を編みたいが、ゆるい履き口ででもずり落ちないやうな編み方ないかな」と質問してゐるのを見かけた。
最近はかういふ話題は Ravelry でするのかな。
レース模様でかけ目の穴を強調したい場合は、まあ仕方がない、履き口をきつちり編むけどね。
それ以外はかかとをきつめに編むやうにしてゐる。
そんなわけで、二本めのくつ下もかかとは終はつて、脚部分に入る。
二目ゴム編みの変はり編みで、これといつてなんの変哲もない模様なので、使ひやすいくつ下になる予定だ。
編むときはいろいろと模様が入つてゐる方が楽しいけれど、実際に履くときはただのメリヤス編みとかゴム編みとかのくつ下を手に取つちやふんだよね。
毛糸はキリン模様のはずだけれども、どこがキリンなのかよくわからない。
でもこの色合ひも履きやすいものになると思ふなあ。
連休中にはできあがるかな。
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