糸端の始末考
The Twirly をつなぐプロジェクトは、先週からモチーフ一枚増えたのみである。
いつもの説明である。
The Twirly とは Jon Yusoff のデザインした六角形のタティングレースのモチーフである。風車のやうな形をしてゐる。
このモチーフをたくさんつないで最終的にはちよつと壊れた六角形にするのが「The Twirly をつなぐプロジェクト」である。
だいぶ以前にも書いてゐるやうに、糸始末には Magic Thread を使つてゐる。
リングなりブリッジなりを作るときに輪にしたキルティング用の糸(これが Magic Thread なのだらう)を芯糸に沿はせて仕込んでおく。40番糸なら最低6目分くらゐは仕込んでおきたい。
糸始末をする際に糸端を輪にした糸に入れる。
輪にした糸を引き抜く。
Voila!
あとは糸端を切つて糸始末終了である。
キルティング用の糸と書いたが、細くて強くて滑りのいい糸ならなんでもいいのではないかと思ふ。
リングやブリッジを作るときに仕込んでおくと、作つてゐる最中邪魔なので、あとからクロススティッチ針で縫ひ込むのもありなのかもしれない。
やつがれは、縫ひ針を使ふのをできるだけ避けたいのでこの方法はやつたことがない。
また、マジックスレッドは長くしてシャトルに仕込んでおくといふやり方もあるが、これだと長くなりすぎてしまふ。
やつがれは適当な長さにして、ちよつと手間だがスティッチを作りながらシャトルの先などでマジックスレッドを入れるやうにしてゐる。
タティングレースの本を見ると、糸を始末するときや糸をつぐときは大抵「糸端同士を結んで始末する」と書いてある。
大変お恥づかしい話だが、この「糸端同士を結ぶ」といふのがどうにもうまくできない。
結び目がリングやブリッジからものすごーくはなれた位置にできてしまつたり、やたらと大きくなつてしまつたりするからだ。
それで「ここで糸始末しましたよ」といふのがとても目立つてしまふ。
Magic Thread を知るまでは仕方ない、最後の糸端だけはクロススティッチ針で縫ひ込んでゐた。
最初の糸端は、リングなりブリッジなりを作りはじめるときに一緒に芯糸に沿はせて始末してしまふ。
これは今もやつてゐる。
かうすると、マジックスレッドは最後の糸端用だけで済むからだ。
The Twirly の場合、シャトルをふたつ使ふ。
糸を巻いたばかりのときはふたつのシャトルに巻いた糸がつながつてゐるから最初の糸端は気にしなくていい。
ひとつモチーフを作り終えたあとは、まづシャトルひとつだけでリングとブリッジとを作る。このときにマジックスレッドを仕込んでおく。
ブリッジを作つてあまつた糸端とふたつめのシャトルの糸端とを始末しながらふたつめのシャトルでリングを作る。
かうするとリングの中に芯糸が三本になるので若干ほかのリングより大きくなつたりするが、まあ、そこはそれ、だ。
……絵がないとよくわからないか。
この方法は The Book of Tatting で知つた。
これと似た方法を Jane Eborall が「Adding New Thread」として PDF で公開してゐる。
どちらも絵がついてゐる……うーん、本の方はどうだつたかな。多分ついてゐたと思ふ。
かういふことはタティングレースを作る人ならみんなやつてゐることなのではないかと思つてゐるのだが、如何に。
それともタティングレースをやらうといふ人はほぼ器用なのだらうから、やつがれのやうに「結び目がうまく作れない」とか「縫ひ針は極力使ひたくない」といふ人は少ないのかな。
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