おとぎ話な気分
あたたかくなつてきてしまつた。
編みかけの三角ショール Weaver's Wool Mini Shawl を前に、ちよつと焦りを覚えてゐる。
とはいへ、この週末は寒かつたりはしたのだが。
すくなくとも昨日は寒かつた。
あまり寒いのでストーヴをつけたほどである。
金曜土曜と長野県飯田市にゐたが、あちらはそれほどでもなかつた。
まあ、朝などはキンと冷えたりして、ちよつと寒さの質が違ふなと思つたりもしたけれども、おそれてゐたほどでもなかつた。
飯田には Clapotis を持つて行つた。
飯田市川本喜八郎人形美術館の中で寒かつたら羽織るつもりでゐた。
外ではマフラーとして、内ではショールとして、実に使ひ勝手がいい。
Clapotis は編んで正解だつた。
マフラーにするにはあともう一玉くらゐほしかつたが、とは以前も書いてゐるが、ショールとして使ふにはちやうどいい。
実際、今回も人形を見ながら羽織つたりしてゐたのだつた。
いいぞー、Clapotis。
さて、懸案の「これまで編んだことのないくらゐ巨大な三角ショール」になるはずの Weaver's Wool Mini Shawl だが、現在五玉目に入つたところである。
だいたい五玉くらゐかなあ、と思つてゐたけれど、六玉くらゐ使ふやうかもしれないなあ。
いや、いつそ十玉まるまる使つてしまふか。
いろいろ考へてしまふ。
五玉でおさまらないのは、模様のくり返しの関係だ。
たぶん、五玉だと中途半端な位置までしかたどりつけない気がするんだよね。
六玉あればなんとかなるかなあ。
そんな感じである。
最初のうちはデンマーク風のショールにしたいと思つてゐたが、それはちよつと無理かもしれない。Weaver's Wool Mini Shawlの形状からいつて、なんとなく、ね。
まあしかし、だんだん大きくしていくタイプのショールは最後伏せ止めをしてみないとなんともいへないわけだが。
これが終はつたらくつ下、とは以前も書いたとほりである。
「毛糸だま」春号に掲載されてゐるものもいいし、単にメリヤス編みのくつ下もいいやうな気がする。最近さういふシンプルなくつ下を編んでゐないしね。
だがその前にショールをなんとかしなければ。
これまでのやうに、あたたかくなつたら寒くなるまで編みかけのまま放置、といふのも考へないではない。
考へないではないのだが、いまのところ仕上げたいといふ気持ちの方が勝つてゐる。
我ながら不思議だけどなー。
ところで、Weaver's Wool Mini Shawl なのは増やし目の仕方で、模様は Textured Shawl Recipe にもとづいてゐる、とは以前も書いたとほりである。
これ、編んでるとひたすらメリヤス編みとかひたすら裏メリヤス編みがつづくことが多くて、なんだか気分は白鳥になつたお兄さんたちのために茨であみものをする人、なんだよね。
苦行、といふのでもないが、延々延々だまーつてメリヤス編みとか裏メリヤス編みをしてゐると、これつてなんかの修行なんぢやないか知らん、といふ気持ちになつてくるのだ。
実は、それもまたちよつと楽しい。
「なにかになつたふり」といふのはちよつとばかり日常からはなれた心地になるのがおもしろい。
それでなくてもやつがれは日常からはなれがちではあるのだが。
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