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Thursday, 05 February 2015

裏を返す

2015年1月31日(土)、横浜の産業貿易センタービルで開催された三国志フェスに行つてきた。
以下、なにもかもひつくるめて「三国志」と記述する。

産業貿易センタービルは神奈川県の東部に住まふものにとっては旅券発券のためにおとづれるところである。
なんとなく勝手知つたる建物だ。
一階のドトールが明るくなつてゐてびつくりしたがな。

三国志フェスは、「ひとりで行つても楽しいイヴェント」なのださうである。
今回はそれを確認するために行つた。

実は前回も行つてゐる。
前回は、開始時刻よりちよつと遅めにつき、ぼんやりとブースを眺めてちよこつと買物をし、カクテルを飲んで帰つてきた。
ステージでなにをやるかとか、あまり把握してなかつたんだよね。

今回はひとりで行つてそれなりに楽しく過ごした。

今回はちやんと予習をして、「ぢやあこれは見てみやうか」と計画をたててすこし遅めに行つたら「エンペラー・オブ・お笑い三国志」といふコンテストが終はる直前だつた。
ちよつと残念。
前回も見逃してゐるんだよね。

三国志フェスでは、大きい黄河ステージと小さい長江ステージとがあつて、ここでお笑ひ芸人のコンテストとか人形劇、京劇、その他プレゼンテーションやパフォーマンスが行はれるやうになつてゐる。
それとは別に物販用のブースがあり、買物をしたりカードゲームをしたりできる。飲食物も売られてゐるので、おなかが空いてもひもじうない。
ほかにも三国志関連の本を集めたスペースがあつて、その場で借りて読めるやうになつてゐた。

ステージの様子は客席の外からも見聞きすることはできるので、興味のあるところだけ立ち見するなんてことも可能だ。

ひとりでもぼんやり楽しむことができるやうになつてゐるのだ。

そんなわけで、今回は会場をひととほり巡つたあとは、レキシズルバーで求めた三国志フェス特製「鋭い陳宮」なんぞをなめつつ、外からステージのやうすを楽しんでゐた。
「鋭い陳宮」はウォッカベースのカクテルで、次第にきいてくるといふおそろしい……いやいや、おいしいカクテルである。
前回も「できればかたつぱしから飲みたい」と思ふたのだが、これだけになつてしまつた。残念。

鋭い陳宮


今回見やうと思つてゐたのは、着いたら終はりかけてゐた「エンペラー・オブ・お笑い三国志」と、事前にTwitterなどでつのつてゐた「好きな男」ランキングの発表、あと前回ブースで見ておもしろいと思つた指人形劇「袋布戯」と、それから京劇だつた。

「エンペラー・オブ・お笑い三国志」といふのは、エントリしたお笑ひ芸人がそれぞれ三国志にちなんだ芸を演じてそれを審査する、といふものだ。
見られなかつたので、これ以上のことは云へない。
「歴人マガジン」に載るか知らんと思つたら、写真だけ掲載されてゐて、この催しの中身についてはふれられてゐなかつた。
「歴史」だと認識されなかつたのかもしれない。

「好きな男」ランキングといふのは、Twitterなどで三国志に登場する「男」のうち好きな人を三人選んでねといふ前振りがあつて、それを集計した結果を発表する催しである。
「登場人物」とか「武将」とかではなく「男」といふのがおもしろいかもね、といふのが事前に云はれてゐた。
ランキングはそのうち発表されると信じてゐるし、うろ覚えでもあるのでここには書かない。
おもしろかつたのは、ステージ上にゐた盛山春美氏だ。
曹操やその配下の人々の話を振られるとにこにこ嬉々として話をするのに、それ以外の人々については気乗りしないやうすで短くコメントするだけ、といふ姿がとても興味深かつた。

さうだよね。それでいいんだよね。
一口に三国志といつてもとらへ方は人によつてさまざまだ。
正史以外認めんといふ人もゐるかもしれないし(寡聞にして知らないが)、とりあへず「三国志演義(どの?)」には従はうよといふ人もゐるかもしれない。
ゲームしかやつたことがない人もゐるだらうし、「とにかくアレ(好きなものを入れてください)だけは絶対許せん」といふ人もゐるかもしれない。
登場人物だつてやたらと多いから「この人は好きだけどあの人はイヤ」「この国(といふか)はいいけど、ほかはどーでもいい」といふ人もゐて当然だ。
全方向を見る必要はないんだよね。見るにこしたことはないかもしれないけど。

と、手元にそろつた三枚の手ぬぐひを見てしみじみ思ふたのだつた。
前回の三国志フェスで、北伐さんの荀彧の手ぬぐひを買つた。
北伐さんとは三国志の登場人物を描きその人物を思はせる漢字一文字を書いた手ぬぐひなどを作成して販売してゐる方々である。
前回、趙雲とどちらにしやうかさんざん迷つた。
ちよつと風を感じるやうな動きのある絵柄が趙雲と荀彧とだつたからである。
どちらにしやうか考へて、ちよつと戦闘タイプの気があるからここは荀彧にしておくかと思つてさうした。
そんなわけで今回は趙雲は買はうかなと思つてゐて、しかしうつかり周瑜の手ぬぐひも買つてしまつたのだつた。
なぜつて……うーん、すてきだつたからね。

しかし、買つてみて愕然とする。
なんだらう、この、妙なおさまりのよさは。
気がつけば、曹操・劉備・孫権の手のものがひとりづつゐるぢやあないか。
このムダなバランス感覚を如何せん。
……如何にしやうもないけれど。

さて、楽しみにしてゐた「袋布戯」は、いきなり紹介ヴィデオがトニー谷のギャグからはじまつたりして、「いつたいこの場にゐる人間の何人くらゐがトニー谷を知つてゐるのだらうか」とちよつと心配になつてしまつた。
知らなくてもトニー谷はおもしろいか。

前回、ブースで見たときにおもしろいなと思つたのは、人形の動きだつた。
水平方向にすべるやうに動く。
手前に蹴込みといふか演台といふかがあつてこれがだいたい高さが1mちよい、幅はまちつと狭いかな。
その背後左右に人形の出入りするところがあつて、そこから人形がすいーつと出てきてすいーつと引つ込むといふ感じだつた。
ことばにするとわかりませんね。
今回は主役が魯粛でほかの登場人物といつて周瑜と孔明とだつたので、あまりさういふ動きはなかつた。
なので、もしかしたら「水平方向にすべるやうに動く」といふのは間違つてゐるのかもしれない。
周瑜がオネエかと思つたらベルクカッツェだつたり、孔明の笑ひ方がどことなく東野英治郎の黄門様のやうだつたり、年を経た人間にはいろいろと楽しい一幕だつた。

京劇は、孫夫人をつれて去る劉備を追ひかける周瑜が漁師に化けた張飛と一戦まぢへる、といふ内容。
見慣れないと、拍手のしどころとかがむづかしい。歌舞伎の大向かうのやうに声をかけたいといふ衝動にかられるけれど、なんとかけていいのかわからない。
後者については、終演後、司会者の方が質問してくだすつた。
見得(と便宜上書く)をしたところで「好!」と声をかけるといいのださうである。
水鏡先生ですな。あれは「好々」か。

ひとつ、たまたま見ることができておもしろかつたパフォーマンスがある。
「垂井ひろしの墨画アートパフォーマンス」である。

垂井ひろしの墨画パフォーマンス

大きな紙にその場で絵を描くパフォーマンスだ。
墨に浸した筆を手に、パーカッションのBGMにのつて絵を描いていくさまに、つい目を奪はれてしまつた。ダイナミックでね。
垂井ひろし氏はF1のレースカーなどを題材にかうしたパフォーマンスをしてゐるのらしい。
役者絵も描いてゐる、と、後に知つた。
墨は鈴鹿の産のものを使つてゐるといふ話だつた。
できあがつた絵のそばに寄つてみたら、墨のよい香りがした。

あと、前回もすこし気になつてゐたのだが、今回もカードゲームが気になつた。
しかし、カードゲームつて、なんだか奥が深さうなんだよね。
はまつたら最後な気がする。
そんなわけで、人が興じてゐるのを見るにとどめた。

このあと、中国旅行の話があつたりとか、さらには夜の三国志フェスなんぞといふものがあつたりしたのだが、残念ながら参加せず。夜の三国志フェスの方は「参加できず」かな。

ステージで行はれるパフォーマンスについては、すべてを見るのはチトむづかしいのかもしれない。
時間割では黄河ステージと長江ステージとできるだけかぶらないやうになつてゐるやうなのだが、実際はかぶつてしまつたりするしね。

そんな感じで、楽しんで帰つてきた。
次回もあつたら行く、かな。
そのころまでに、いままで読んだことや見たことのない三国志ものに触れておくかとも思つたが、盛山春美氏のおかげで考へを変へた。
いまのままでいいぢやあないか。
かたよつてはゐるけれども。

そんな感じで、今後も好きなのかどうかわからないといふスタンスで三国志ものとはつきあつてゆくつもりである。

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