飯田市川本喜八郎人形美術館に行くとして
そろそろ飯田市川本喜八郎人形美術館に行かうかと思つてゐる。
行くやうになつて、まだ三年くらゐかな。
はじめて行つたときから、だいたい年に四度くらゐの頻度で行つてゐる。
半年に一度の展示替へ後に行くのと、それからだいたい三ヶ月くらゐたつたころに一度、計四度だ。
ほんたうはもうちよつと増やしたいところなんだけれどもね。
行くときは大抵新宿から高速バスに乗つて行く。
去年、美術館のすぐそばに高速バスの停留所ができた。
以前もすぐそばにあつて、廃止になつたのらしいと聞いてゐた。
高速バスの停留所と美術館とのあひだにはキング堂といふ文房具店がある。
それまでも機会のあるごとにキング堂には立ち寄つてゐた。
「これでキング堂に行きやすくなるなー」と思つてゐたらこは如何に。
停留所ができてから、キング堂に行けた試しがない。
飯田に着くのは午後五時半くらゐ。
まづ美術館に直行して一時間弱見て回る。
翌日は朝から美術館に行く。
ギリギリまで見てゐると、キング堂に寄る時間がない。
さて。
なくなつたのは、キング堂に寄る時間だけではない。
おみやげを買ふ時間もなくなりつつある。
停留所のできる前は、飯田駅前の停留所で降りてゐた。
ここから美術館までは徒歩12分、とWebサイトの案内にはある。
そのころは帰るときには余裕を見て30分前には美術館を出るやうにしてゐた。
新たな停留所との距離は徒歩3分。
ギリギリまでゐるよねー、そりやあ。
おみやげについては、美術館のある建物の一階で調達できるのでいまのところなんとかなつてはゐる。
一階には観光案内所と、その手前にそば屋兼みやげもの屋がある。
このみやげもの屋で売つてゐるパウンドケーキが気に入つてゐる。
りんご、洋なし、くるみ、ブルーベリーの四種類を見たことがある。たぶん生地自体はいづれもおなじもので、ケーキの上にりんごや洋なしなどをのせたケーキだ。
りんごとくるみとがとくに気に入つてゐる。
あと、善光寺の七味唐辛子を買つて帰ることもある。
以前おみやげでいただいて、おいしいし香りもよいのでこれまた気に入つてゐるのだつた。
問題はキング堂か。
むー。
一応、美術館以外のところにも行つてみやうと思つてはゐる。
去年、大雪の合間を見つけて行つたときには、飯田線に乗つて鼎駅で降り、そこから延々高速道路の出口につながる道のあたりまで歩いたことがあつた。
お茶を飲まうと思つてのことだつた。
着いたら、喫茶部は十一時からと書いてある。
十一時からお茶をして、それから美術館に戻つてもなにも見ることができない。
さう思つて、そこからまた延々美術館まで歩いたのだつた。
その時間帯には飯田線の電車は走つてゐなかつたし、タクシーといふ選択肢はやつがれにはない。
タクシーつて、なんだか密室つぽい気がして好きになれないんだもん。
そんなわけで、「ここで育つたら、さぞかしすばらしい陸上選手になるのではあるまいか」と思ひつつ坂をくだつたりのぼつたりしたのであつた。
それ以来、無理してあちこち回らなくてもいいかな、と思ふやうになつた。
だいたい、美術館には一日ゐても飽きないしね。
飽きたかもと思つたら、それこそキング堂に行けばいいのだし。
あるいは一階でおそば食べたりおみやげ買つたりしてもいい。
そんなことはしたことないけれどもね。
飯田市にはなにかしらお礼をしたい。
それで普段は滅多に買はないおみやげなども買つて帰るのだけれども、それでお礼になつてゐるのか、疑問だ。
あとはもうちよつと観光できたらなあ、と思ひつつ、美術館に籠もるのであつた。
次に行つたときは、日本酒でも買つて帰らうか知らん。
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