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Friday, 20 February 2015

温故知新の名のもとに

ここのところ、昔読んだ本ばかり読み返してゐる。
たとへば、シャーロック・ホームズものだ。
Kindleで無料になつてゐるものや、プロジェクト・グーテンベルクから落としてきて読んでゐる。
「緋色の研究」「シャーロック・ホームズの冒険」「四つの署名」「シャーロック・ホームズの思い出」「バスカヴィル家の犬」と順序はバラバラだがここまで読んだ。

いまのところ「バスカヴィル家の犬」が一番おもしろかつたなあ。
これは明らかに読んだことがある本だ。
なぜといつて、小学生のときに学級文庫にあつたからである。
ほかは、なー……たとへば、「思い出」などは、読んでないかもしれない。
でも、「最後の事件」は記憶にある。
ホームズがワトソンに残したメモが、机の上で書いたかのやうに整然とした文字で書かれてゐた、といふのが忘れられないのだ。やつがれなんか机の上で書いたつてものすごい字になつてしまふといふのに。

こども向けのホームズ本には、あちこちから短編をかき集めてきた、といふやうな体裁のものが結構あつた。
たとへば、はじめて読んだホームズものは「まだらの紐」といふ題名で、「まだらの紐」と「赤毛連盟」と「銀星号事件」とが入つてゐた。もう一作くらゐなにか入つてゐたかもしれない。
また、こども向けの文学全集には「冒険」からいくつか話が入つてゐたやうに思ふ。「青いルビー」とか「五つのオレンジの種」とか。
ここに書いた題名はやつがれがそれと覚えてゐた題名なので、世に通つてゐる名前とは違ふかもしれない。

「緋色の研究」や「四つの署名」、「バスカヴィル家の犬」と「恐怖の谷」の四つは一冊の本になつてゐたからそれぞれ読んでゐるはず……なのだが、読み返してみるとあれもこれも忘れてゐる。
忘れてゐるから楽しめる。
さうもいへるかもしれない。

ホームズものを読み返さうと思つた所以は、「パペット・エンターテインメント シャーロックホームズ(以下「人形劇の「シャーロックホームズ」」)」である。
人形劇の「シャーロックホームズ」を見るほぼ一年前に「SHERLOCK」も見てそれなりにおもしろいとは思つたけれど、原作を読み直さうといふ気にはならなかつた。
我ながらふしぎである。

現在は、クロフツの「樽」を読んでゐる。
今日読み始めたばかりだ。
これ、やつぱりおもしろいね。

クロフツの「樽」を知つたのは、「ミステリマガジン」に連載されてゐて、後に「BAR酔虎伝」といふ本にまとめられたコラムでだつた。
しぶいけどおもしろい。
そんな風に紹介されてゐたやうに思ふ。

当時、創元推理文庫で、500円しなかつたんぢやなかつたかな。
しかし、買へなかつた。
買ふと一月のお小遣ひが消へてしまふからである。
それで、借りて読んだのだつた。
借りて読んだせゐか、やはり結構忘れてゐる。
さういへば、ホームズものもその大半は借りものだつたんだよな。
考へてみたら、手元にあつた本に載つてゐた話はほぼ覚えてゐる。
さういふものなのかもしれないな。

「樽」の前に、サラ・コールドウェルの「女占い師はなぜ死んでゆく」を読んだ。
これははじめて読んだ。
しかし、読むきつかけは、「なんだつけ、オクスフォードの教授で歴史とかやつてて古文書を読む人が探偵で、男か女かわかんない小説がまた読みたい」だつた。
さんざんWeb検索をした結果、サラ・コールドウェルのヒラリー・テイマー教授ものだと判明した。
これだけの情報でよくぞ正解にたどりつけたと我ながら感心する。
ところが、過去に読んだ本はほぼ入手困難だつた。
たつた一冊、本屋で見つけたのが「女占い師はなぜ死んでゆく」だつた。

サラ・コールドウェルを知つたのは、パトリシア・モイーズの作品でだつたと思ふ。
ヘンリー・ティベット警部ものの巻末に広告がついてゐて、それにヒラリー・テイマー教授ものの紹介が載つてゐたのだらう。
ヘンリー・ティベット警部ものも何冊か読んだが、その内容はほとんど忘れてしまつた。
パトリシア・モイーズで覚えてゐるものといつたら、飼ひ猫との本である。シャム猫を買つてゐて、一緒に旅行にも行くことがある、といふ話だつた。
人間だけで旅行に行くときも、猫に「行つてくるからね」といふと、猫はわかるといふのである。

ヘンリー・ティベット警部ものも読み返したいなあ。奥さんがいいんだよね。
しかし、これもほとんどは図書館で借りたもので、手元にはない。
そして、いま買はうとしても、なかなか手に入らないといふ寸法である。

やはり本は買つておかなければならないのだらうか。
そして、ちよつとでも気に入つたら捨ててはならないのだらうか。
しかしそんなことをしたら家中本で埋まつてしまふ。
うまいこと片づけないと、結局腐海が発生して、本はそこに飲み込まれてしまひ、読みたいときに出てこない。

世の中うまくいかないものである。

それにしても「樽」はおもしろいなあ。
このままかつて読んだことのある本ばかり読み返すやうになつてしまふのだらうか。

それはそれでもいいのかもしれないなあ。

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