GAP-static Cowl を編み終はつた。
編み終へた感想は、「これ、ほんとに使ふのか?」だつた。
なにしろ、ゴツい。
Rowan の Big Wool を9mmの針で鹿の子編みにしてゐる。
しかも、長い。
したがつて首に巻くときは二重にするやうだから、「八方隙無し!」といつた趣になる。
二重にした分をフード代はりに頭からかぶることもできる。
極寒の地向けなんではあるまいかと思ふほどだ。
NHKのテレビドイツ語講座に勝村政信が出てゐたとき、ドイツの女の子ふたりがハンブルクを歩いて回るといふヴィデオを流してゐた。町で会つた人と交はした会話の中に、その日のキーセンテンスが入つてゐる、といふ寸法である。
このとき、ふたりともゴッツいネックウォーマをしてたんだよね。
それこそ、GAP-static Cowl のやうなのを、ぐるぐる二重巻きにしたり、一重のままで長くだらんと垂らしたりしてゐた。
さうか、GAP-static Cowl ができあがつたといふことは、ハンブルクに行け、といふ神の啓示か。
冗談はさておき、この cowl は編むのも相当大変だつた。
超極太の糸を超極太の針で編む。
手の動く範囲は、細い糸を細い針で編むのとは比べものにならないくらゐ大きくなる。
ゆゑに、一目編むのにも時間がかかる。
編んでも編んでも終はらない。
この cowl を編むことにしたのは間違ひだつたのでは、と思ふくらゐ進まなかつた。
作り目は指で作る普通の作り目が指定されてゐるが、それだと糸端をどれくらゐとつておいたらよいのか見当がつかなかつたので、針に編みつける作り目にした。
目数の多い作り目のときは毛糸だまをふたつ使ふとよいのだが、今回その手はとらなかつた。
理由? 糸端の始末が増えるから、かな。
GAP-static cowl 自体は、以前から編みたいと思つてゐた。
Ravelry の queue にこそ入つてはゐないが、編み方をダウンロードしてあつた。
どこが気に入つたのか。
鹿の子編みのところ、かなあ。
鹿の子編みは好きだ。
あの裏メリヤス編みのぼこつとした点が斜めに連なつてゐるやうすがたまらない。
デビー・ブリスの作品によくあつたよね、鹿の子編み。
整然としてゐて、しかし斜めの模様、といふのがやつがれの好みに合ふ。
問題は、きれいに編まないと斜めの模様が浮き上がらない点だ。
今回、やつがれにしては斜めに模様が浮き上がるやうに編めてゐる。ただ、糸がツートンカラーなので、ぱつと見た感じだと斜めの線が見えないんだよなあ。残念。
指定では幅40cm弱になるところだが、毛糸が足りずに30cm弱になつてしまつた。長さをもつと減らすのだつたかな、と思つたが、まあ、これはこれでよしとしたい。
ほんとは40cmくらゐあると、肩掛けとしてもよささうなんだけどね。
ゴツすぎて使ひ道がないよなあと途方に暮れてゐた昨夜、天気予報を見てゐたら、明日の朝は氷点下まで気温が下がるなどと云つてゐる。
しかも、日中はあたたかいけれど、夜はまた冷える、とも云つてゐた。
これはもしかして、GAP-static cowl を試してみるよい機会なのでは。
さう思つて、さつそく GAP-static cowl を使つてみた。
首に二重に巻いてみて、思つたほど悪くはない。
ただチト重たい。
400g弱と、セーターよりも重たいかもしれないネックウォーマである。
肩こりが心配だ。
外ではいいかもしれないが、電車の中では暑すぎるのではあるまいか。
さういふ心配もあつた。
これは、案外気にならなかつた。
たまたま今朝乗つた電車の車内空調があまりきいてゐなかつたのかもしれないが、二重巻きのままで目的の駅までたどりつくことができた。
Big Wool はちよつとチクチクするなー。これは想定外だつた。毛糸自体はやはらかくていい感じだつたからね。
いい点といふと、膝掛けとしてもあたたかいといふことかな。
長さが十分あるので両膝を覆ふことができる。
幅が短いので輪の前後をずらしてもいいところ50cmくらゐだらうか。膝下まで覆ふのがせいぜいだが、なにしろ厚地なのでとてもあたたかい。
ふむ、これはいいかも。
それと、襟元もあたためつつフード代はりに頭を覆ふこともできるといふのもいいと思つてゐる。これはまだ外ではやつてゐないけれどもね。
あとはあれだな。やつがれの場合は冬の飯田行きに使へるな。
そんな感じだらうか。
とにかくゴツいので、とにかくあたたかいマフラーがほしい、と思つてゐる向きにはよいかと思ふ。
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