Clapotis ふたたび
Clapotis をまた編んでゐる。
Clapotis は、Knitty の2004年秋号に公開されたマフラーである。
かなり巨大なので「マフラー」といふのもどうかとは思ふが、説明には「scarf」とあるので、まあ、マフラーだらう。
clapotis とは「重複波」とか「停止波」のことなのださうである。
「重複波」や「停止波」がなんのことなのかは訊かないやうに。
2005年の5月ごろ、Clapotisを編んでゐた。
ダイヤミュゼファインで編んだ。中細といふか合細くらゐの毛糸である。針は三号を使つた。
編み方には毛絹混紡の並太ていどの糸が指定されてゐるのだが、細い糸で編んだものもなかなかかよつた。
途中、一目づつ全段まるごと目を落としながら編む。これが伸縮性を生む。
くしやつと縮めても使へるし、大きく広げて使ふこともできる。
そんなわけで、初代 Clapotis は結構重宝したのだつた。
その後、ネックウォーマといふか cowl といふか、輪になつた巻物を愛するやうになつて、あまり使はなくなつた。
今回は、イェガーのラクジュアリー・ツイードを使つて編んでゐる。
先日書いた、「廃番になつたから使へなくなつた毛糸」である。
でもどうしても使ひたかつたんだな。
このまま在庫の下の方に埋もれさせておくには惜しい糸だし。
そんなわけで、編み始めたのが先週の月曜日である。
針は七号を使つてゐる。クロバーの匠で、これが糸との相性がよい。ちよつと滑りすぎるかもと思はないでもないが、するすると編める。
問題は、手元に毛糸が三玉しかないことだ。
Jaeger の Luxury Tweed は、一玉50gで190mくらゐあるとラベルにはある。
それだけあれば、三玉でなんとかなるだらう。
さう思つたんだが。
なにも考へずに編み方のとほりに編んでみたらばこは如何に。
……なんか、毛糸が足りなくなりさうなんだけれども。
毛糸が少ない場合は、くり返しを減らせばいい。
しかし、Luxury Tweed はモヘアなど入つてゐない(はず)なのにやたらともけもけとした糸である。
ほどかうとすると、糸から出た毛同士が絡み合つてなかなかほどけない。
と、いひわけをしつつ、編み方どほり増やし目してしまつた。
ほぼ一玉使ひきつた感じだ。
残り二玉。うち一玉は最後の減らし目の部分にほぼ全部使ふとして、本体部分は一玉しかない。
無理だろ、それは。
無理だろ、と思ひつつ、「この場合、どんな形のものができあがるのだらうか」といふので、つひ、編みすすめてしまつてゐる。
「どんな形」もなにも、ひどく短いマフラーもどきができるのは目に見えてゐる。
でも、それつて使へないのか知らん。
案外うまい具合に使へたりするんぢやないか知らん。
そんな感じで、昨日、最初の落とし目(つていふのかね?)をしたところだ。
モヘアのやうな糸だから、なかなか落ちていつてくれないが、そこはまあそれ、だ。
ほぼ六目に一度目数リングが入つてゐて、編みづらいやうに思ふてゐたが、それほどでもない。
この冬はこれと、あと十玉一パックで安く買つた並太毛糸を使ひきれたらな、と思つてゐる。
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