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Friday, 26 December 2014

ぬらぬら さらさら するする

今年は萬年筆は買はなかつた。
正確にいふと一本買つたが、現在調整中で使ふことはできない。
といふわけで、とりあへず使へるものは買つてゐない。

ペンクリニックにも行つてゐないなー。
萬年筆への愛がうすれてしまつたのか。
ときどき、そんなことを思ふこともあるが、まあ、たぶん、それはない。
日々手持ちのペンを使つてゐるからね。
結局一番使つてゐる筆記用具は萬年筆だし。
ペンクリニックに関しては、一時よりだいぶ少なくなつた気がしてゐる。
すくなくともやつがれの行ける範囲で開催されるものは減つてしまつたやうに思ふ。
ちよつとさみしい。

現在持ち歩いてゐる手帳は Smythson の Panama である。
Smythson のフェザーウェイトの紙に、中屋万年筆の細軟で書くと、するするとまるで筆圧をかけずに書くことができる。
中屋万年筆のこのペンは、去年の秋に調整してもらつて以来、絶好調だ。
プラチナのブルーブラックを入れてゐるので、Moleskine にも使へる。
いまのところ、Smythson の紙との相性が抜群だなあ。
筆で書くやうな感覚つてこんな感じか知らん、とも思ふ。

まあ、毎回毎回さういふ感じ、といふわけでもないけれどね。
その日の気温とか湿度とか、あとはやつがれの気分とかで変はつてくる。
それを楽しむ余裕があるときはいいんだけれど、ないときもあるのが問題かな。

萬年筆を使ひはじめたころはまつたく考へたことはなかつたけれど、どうやらやつがれは「カリカリ」する書き味があまり好きではないやうだ。
シャープペンシルでも芯のせゐか書き心地が「カリカリ」するときがあつて、これがどうにも耐へられない。
マジックで書くときの「キーキー」いふ感じに近いやうな気がするからかもしれない。
そんなわけで、ナガサワ文具センターの「万年筆をもてなすノート」といふLITEROも、「さらさら書く」スムースと、「ぬらぬら書く」ナチュラルとは入手したが、「かりかり書く」ラフは買つてゐないのだつた。

このノートは、買つてなにを書くか思ひつかなくて、ナチュラルには「史記」から「項羽本紀」、スムースにはおなじく「淮陰侯列伝」を書き写してみることにした。

最初はどちらもおなじペンを使つてみた。
金ペン堂で求めたモンブランの146にウォーターマンのブルーブラックを入れたペンである。
ナチュラルはペン先の吸ひつくやうな感じで、スムースは流れるやうな感じ、だらうか。
書いてゐて、どちらもとても楽しかつた。
あんまり楽しいので、生まれてこの方書いたこともないやうな漢字の羅列を延々一ページ埋め尽くしてしまつたほどである。

とりあへず、この先はまづ「項羽本紀」を書き写さうかなあと思つてゐる。
来年はそんな感じかな。

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