Nina Libin のピコをつなぐ方法
モチーフ増産大作戦は、遅々として進んでゐる。
作戦名称がそのときによつて違ふのは、やつてゐることはおなじだからいいかなつて。
で、写真を載せたいのだが、iPhone で撮つて Flickr に投稿しやうとすると、「できません」とか云はれてしまふので、滞つてゐる。
その後、iOSの更新のお知らせがきてゐるから、更新したらまた Flickr に投稿できるやうになるのかもしれないけれど、それはまだ試してゐない。
あ、eメールで送ればいいのか。まあ、いいやな。
前回も書いたとほり、Nina Libin のデザインしたモチーフばかり作つてゐる。
Tatted Lace of Beads - The Techniques of BEANILE Lace の最初の方にに掲載されてゐる、ビーズを入れないデザインのモチーフである。
Nina Libin のデザインの最大の特徴は、そのビーズの使ひ方にある。
では、今回はビーズは入つてゐないので Nina Libin らしさがないか、といふと、そうでもない。
Nina Libin のデザインのもうひとつの特徴は、「最後にまとめてピコをつなぐ」である。
たとへば、六弁のロゼッタモチーフを作るとする。
中心に六つのリングを作り、外はチェインで花びらを表現するタイプの、タティングレースではよくあるモチーフを想像されたい。
この場合、中央のリングをつなぐには、隣り合つたリング同士をピコでつなぐ方法と、最初のリングに大きなピコを作つて以降のリングをそこにつなげる方法とがある。
Nina Libin のデザインで特徴的なのは、後者の方法をとらない、といふことだ。
かといつて、前者の方法をとるわけでもない。
あ、もちろん、デザインによつては、どちらの方法も取り入れてゐる場合もあるやうだが、ここではおく。
Nina Libin はどうするか。
六つ目のリングを作るときに、ほかのリングのピコを全部さらつて、そこに芯糸を通し、つなげるのである。
わからない?
わからないかー。
Nina Libin のサイトにフリーパターンがいくつか掲載されてゐる。そのうち BNL-119bにはこの方法が取り入れられてゐるやうに見受けられる。確認はしてゐない。
興味のある向きには是非。
どうしてこんなことをするのか。
Nina Libin は、「かぎ針を取り出す手間を少なくするため」といつてゐる。
リングを作るたびにかぎ針を取り出してつなぐのは面倒だ、といふのだ。
いまはないかもしれないが、以前、Nina Libin はタティングシャトルを売つてゐた。
木でできた、細長いものだつたと記憶する。
ビーズを通した糸を巻き付けるのにいい、といふ話だつた。
このシャトルには、角も針もついてゐなかつた。
ピコでつなぐ場合はかぎ針が必要になる。
Nina Libin は、上記の本に、「現代のノマドへ」といふ文章を寄せてゐる。
「現代のノマド」とは、日々通勤通学に時間をかけてゐる人々のこと、すなはち、あなたやわたしのことである。
そんな忙しい生活を送る「現代のノマド」でも、ビーズを通した糸をシャトルに巻いて持ち歩けば、いつでもうつくしいものを作ることができる。
シャトルはたいしてかさばらない。「現代のノマド」にうつてつけだ。
そんなことを云ひたいのだと思ふ。
やつがれが、Nina Libin を愛してやまないのは、かういふ点だ。
そんな「現代のノマド」にとつて、リングやチェインをつなぐ際に毎回かぎ針を出し入れするのは、かなり手間である。
それで、Nina Libin は、最後にまとめてつなぐ方法を提唱してゐる。
実際やつてみると、ピコ部分が重なつて、そこだけちよつと厚みができる。まあ、たいした厚みではないけれど、気になる人は気になるかもしれない。
それと、慣れないと複数のピコに針を入れて糸を引き出すのがなかなかスムースにできない、といふのもある。
使ふかぎ針もいいもの、といふか、使ひやすいものである必要があるんだらう。
そんなわけで、全面的におすすめ、とはいかないが、Nina Libin の思想(といふと大げさだが)を愛してゐるので、それはそれでいいのである。
自分で作るときは、リングやチェインをひとつづつつなぐ方法で作つてもいいしね。
それにしても、ビーズをあしらつたモチーフもいいよなあ。
年賀状には貼りつけられないかもしれないが、とは以前も書いたとほりである。
来年は、もつとビーズと戯れることにするかなあ。
タティングレースにかぎらず、あみものでもさ。
« Tuesday Night Cowl を使ふてみた | Main | 飯田市川本喜八郎人形美術館 曹操の王国 »
Comments