種類があり過ぎて
レースフェスティバルといふのはあるのだらうか。
レースといふとどんなものを想像するだらう。
針でかがるやうなレースか。
それともボビンレースのやうな織物系のレースか。
棒針編みやかぎ針編みのレースもある。
マクラメやタティングレースは結ぶレースだ。
一口に「レース」といつてもいろいろありすぎて、ひとつにまとめるのはむづかしい。
日本ヴォーグのお教室には「レース講座」のやうなものがあつて、主なレースの技法をひととほり習へるやうだけれども。
こんな調子なので、本屋や図書館でレースの本を探さうとすると、ちよつと戸惑ふときがある。
「かぎ針編みのレースの本がほしいんだよね」と思つて本棚を探しても、「あみもの」とか「かぎ針編み」のところにはないことがあるのだ。
よくよく見ると、そのそばに「レース」といふコーナーがあつて、そこにかぎ針編みのレースの本もあつたりする。棒針編みも同様だ。
大抵の本屋はそんなに手芸本の取り扱ひはさほど多くはないので、そんなに苦労することはないかもしれない。
なにかの折りに、手芸本をたくさん並べてゐる本屋に行くと、そんなことがある。
図書館も然りだ。
おそらく、分類が違ふんだよね。
「あみもの」といふカテゴリの下に「あみもの全般」とか「棒針」、「かぎ針」、「その他」とかがあつて、「レース」は「あみもの」とおなじ階層にある分類なのだと思ふ。
とくに米国は明らかにそんな感じだ。
「あみもの」と「レース」とのあひだに「刺繍」が入るかな。そんな印象。
それで困ることがあるのか。
うーん、わかつてゐれば、「あみもの」も「レース」も両方探せばすむ話だ。
どれくらゐの人がわかつてゐるのか、謎だけどな。
たとへば、「ビーズ」のコーナーには、糸にビーズを通して棒針やかぎ針で編む作品を掲載した本がある。
これつて、「ビーズ」なんだらうか。
タティングレースにもあるか。糸にビーズを通しておいて、結ぶ作品が。
「ビーズ」といつてもその手法はいろいろあるけれど、あみものやタティングレースを用ゐたものは、あみものやレースの棚においておいた方が買ひたいと思ふ人が多いんぢやあるまいか。
書名に「ビーズ」つて入つてゐると、「ビーズ」のコーナーに入れられてしまふのかな。それとも、書籍の分類が「ビーズ」になつてゐるのだらうか。
かうした本は、「ビーズ」のコーナーにあるが故にほしい人の手に渡らない、さういふ場合があるやうに思へる。
レースフェスティバルがあつたら、そこらへんのものも全部ひつくるめて一同に会することもできさうだ。
派閥内の意識は高さうだけれどもね。「ボビンレースこそレース」だとか「ニードルレース以外はレースぢやない」だとか。
そんなことはないか。
« 待望のニットフェスティバル | Main | 川本喜八郎人形ギャラリー 令旨発す »
Comments