あみもの者のヴェヴメッサ
9/17から9/26まで、スウェーデンとフィンランドとに行つてきた。
前半の主目的は、9/18から9/20まで開催されてゐたウメオでのヴェヴメッサである。
何度か書いたやうに、Umeåは現地では「ユーメオ」と発音されてゐた。
また、メッサについては「VÄV 2014 i Umeå」といふ表記が多かつたやうに思ふ。
ここはひとつ検索の要を考へて、「ヴェヴメッサ」と表記することにする。
「NOLIA」とは、ヴェヴメッサの会場の名前である。「ビッグサイト」とか「幕張メッセ」のやうなものだと思ふ。
さて、「VÄV」とはスウェーデン語で「織物」のことなのらしい。
「Vävmässa」とは「織物の見本市」とでもいふたところだらう。
三年に一度、スウェーデンのどこかで開催されるといふ。
織りの見本市に、編みものしかしない人間が行つて楽しいのか。
さういふ疑問はあつて然るべきである。
行く前にさう考へないわけではなかつたが、そんなに心配はしてゐなかつた。
なぜといつて、必ず毛糸が売られてゐるはずだ、といふ気がしてゐたからだ。
そして、その予感は正しかつた。
これがヴェヴメッサ初日の戦利品である。
下の左からエステルヨートランドのレース糸であるペルス、同じく合太糸のヴィーシェの赤と黒、それとスピンドル二本、スピンドルのおまけにもらつた毛が上に置いてある。
赤と黒の毛糸は、「スウェーデンから届いたニット 2―マフラー ネックウォーマー 三角ショール」に掲載されてゐる三角ショールを編むつもりで買つた。
実は二日目にも行つて、エステルヨートランドのキャラメルをひとかせ増やしてしまつた。
エステルヨートランドのブースでは、この秋号の「毛糸だま」の切り抜きを掲示してゐた。
やつがれがブースに行く前に、日本人二名が展示者と親しげに話をしてゐた。
毛糸の価格は、ガムラスタンやセーデルマルムにある毛糸屋で見たものよりすこし安かつた。
エステルヨートランドはヴェヴメッサに来てるだらうなあと思つてはゐた。
とくに根拠はないが、なんとなくそんな気がした。
三年に一度のお祭りだし、手仕事系のイヴェントだし、ゐるだらうと思つたのだ。
展示場内の入口付近はさすがに織物用の糸を主に扱ふブースがあつた。
しかし、この右側のブース(メッサ価格と称してかなりの安売りをしてゐた)のもつと右側には織物もあるし編みものもあるブースがあつたし、エステルヨートランドのブースの周囲にも編みものを扱ふブースが多かつた。
絹糸のブースでは編みもののサンプルが多かつたし、裂き織りに使ふやうな太い糸を使つてかぎ針編みのドイリーを編んだ結果床の敷物になつてしまつた、といふやうなサンプルを飾つてゐるブースもあつた。
入口から展示場の外にかけては織物の展示が多かつたけれど、サーミ族の展示のあたりには、こんな編み掛けのくつ下も展示されてゐた。
ウメオはヴェステルボッテン県の県庁所在地といふことで、ヴェステルボッテン地方のものといふのも多く展示されてゐた。
ヴェステルボッテン土産のブースでは、外国人相手に地元の人が自身の編んだかぎ針編みの帽子について熱く語つてゐた。
なんでも上等の麻糸を使つてゐて、糸のうつくしさと編み地のおもしろさを出すためにすじ編みをしてゐる、とのことだつた。
こんな感じで、編みものしかしない人でもヴェヴメッサは楽しいイヴェントである。
織物もする人ならさらに楽しいであらう。
でもまあ、展示日程三日のうち、最初の一日に行けばいいかな。
今回はそんな気がした。
ほかの回はまた違ふのかもしれない。
スウェーデンのイヴェントだが、海外から来てゐる人も多いやうだつた。
ノリアの会場についてまづ話しかけてきたのはテキサスから来たといふ一団だつた。
やつがれたちが集合写真を撮つてゐると、「撮りませうか」と話しかけてきたのである。
「私たちも撮つてほしいのよ」と云つて。
入場前にいきなり国際交流である(違。
会場およびウメオを歩く「平たい顔族」はたいてい日本人だつた。
ウメオ空港でおなじ便で来た人がほかに二人ゐたし、宿の向かひの部屋は関西から来たといふ人々で、こちらは六人くらゐはゐたらうか。
この人々は織物をする一団だつたのではないかと思ふ。
入場してすぐの展示のところで話しかけてきた人は、「Ms.イトーを待つてゐる」と云ふてゐたしなー。
ほかに、ウメオのヘムスロイドでノルウェーの人に話しかけられたし、上にも書いたやうに、展示側の人が英語で説明する場面も多く見かけた。
みんな、あちこちから来るんだなあ。
入口手前にも織物が飾られてゐた。
白樺が多かつたのは、さういふテーマだつたのか、はたまた織りの技法にぴつたりの題材だつたのか。
それはよくわからない。
気に入つたものをいくつか写真に撮つた。
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