買つてしまつた
秋冬のあみもの書籍を買つてしまつた。
「michiyoの編みものワークショップ」がそれである。
「毛糸だま」の春号(だつたと思ふ)を買つて以来だから、ずいぶんたつ。
去年の秋冬は、それ以外のあみもの書籍はまつたく買はなかつた。
近年、めづらしいことである。
たいてい、毎年一冊は買ふ。
一冊は、とか書いておいてなんだが、二冊三冊は普通に買ふ。
買つて編むのか、といふと……うーん、ここ三年か四年ばかりは、ずいぶんと本に載つてゐるものを編んでゐる気がする。
しかも、秋冬はここ三回連続着るものを編んでゐる。
最初はかぎ針編みのカーディガン、その次が棒針編みのヴェストとおなじく棒針編みのマーガレットといふ名のヴェスト、そして、去年はたた&たた夫さんのところのセーターを編んだ。
さうやつて、秋冬は結構(やつがれにとつては)大作を編んでゐるが、それにくらべて春夏はほとんど編めてゐない。
ここ二年ばかりのことを思ひ出してみても、夏はストールとかスカーフとかしか編めてないんだよなあ。
まあ、暑いんだから編んだものなんか着なくてもいいんだけれどもね。
今週あたりから、編みかけになつてゐるリネンのストールを再開するつもりではゐる。
ところで、買つた本から編んだもの、といふと、圧倒的にmichiyoか風工房のデザインのものが多い。
上に書いたカーディガンとヴェストとはmichiyoの本から編んだものだし、夏に仕上げたスカーフもストールも今編んでゐるものもいづれも風工房のデザインだ。
マーガレットといふ名のヴェストとセーターとは違ふし、もつといふと、セーターのもともとのデザイナはたた&たた夫さんだが、輪で編むといふのでだいぶ自分で手を入れた。
セーター用に買つておいた毛糸がだいぶあまつてしまつたので、メビウス編みのポンチョもどきを作つたが、これも自分で考へて編んだものだ。
でも数からいくと、断然michiyoか風工房なんだよね。
今回買つた本もmichiyoだしね。
ずつと編んでゐると、編みたいけれども編んでゐないものといふのもたくさんある。
たとへば茶羽織ね。
以前買つた「毛糸だま」に掲載されてゐて、一度編みたいと思ひつつ、編む量と毛糸の量との多いことに二の足を踏んだままここまできてしまつた。
デザインしたのはリボン刺繍で有名な人で、襟にリボン刺繍のやうなものがほどこされてゐたやうに記憶する。
いまだつたら編めるかなあ。
別に和服を着るわけではないのだが、いいぢやん、茶羽織だけ羽織つたつて。
あと、これも以前の「毛糸だま」に出てゐたのだが、六枚はぎのヴェストを編みたいと思つてゐる。
何年前の「毛糸だま」かなあ。下手すると二十年くらゐ前のものかもしれない。
六枚はぎで、シェイプされた形にできあがるヴェストである。
昨今の作品といふのは、世の流れに沿つてあまり躯の線が出ない作品が多い。
やつがれなぞはそれで大いに助かつてゐる。
でも、あの六枚はぎのヴェストが編みたいんだよねえ。
いまとなつてはああいふデザインはなかなかないからだ。
そして、これまた以前から編みたいと思つてゐたのがタイツである。
生まれてはじめて購入したあみもの洋書のうち、一冊はElizabeth ZimmermannのKnitters' Almanacで、もう一冊は北欧の編み込み模様を取り扱つた本だつた。
どちらにも、編んだタイツが出てゐた。
「タイツ」と呼ぶのはをかしいだらうか。
いまどき風にいふと、「レギンス」である。
とくに編み込み模様のタイツの方はとても素敵で「いつか編みたい」と思つてゐたのだが、
「すぐに股の内側がすり切れるわよ」
といふ母のことばに二の足を踏んで今に至る。
いいと思ふんだけどなー、手編みのレギンス。
きつとあたたかいことだらう。
と、思つてゐたら、こはいかに。
今回買つた本にも手編みのレギンスが出ているぢやあないか。
しかも脇に模様入りである。
編みたいなー編みたいなー。
使用する糸はハマナカのアメリー。毛70%、化繊30%の糸ださうである。
さうだねえ、化繊混紡の強さがレギンスには必要かもしれないねえ。
あたたかさといふ点でいけば、毛100%にかなふものはないのだが。
くつ下などでもさうだけれども、化繊の助けが必要なものはいくらもある。
アメリーが洗濯機で洗へるものかどうかは調べてゐない。
編みたいと思ふてはみたものの、しかし、いろいろハードルも高いのだつた。
まづ、サイズを変更しないと編めない。
セーターやヴェストだつたらなんとかできるんだがなあ。
といふのは、実は家庭科の授業で型紙の補正の仕方を習つたことがあるからだ。
あらかた忘れてしまつたけれど。
記憶が正しければ、ダーツがあつたらその部分からどれくらゐ補正する、とか、どことどこをどう補正する、とか、習つたのである。
習つたのに、すつかり忘れてしまつた。
もつたいない。
学校で習ふことの中では数少ない実生活で役立つ貴重な知識だつたといふのに。
ただ、そのときのおぼろげな記憶から、なんとなく「ああだつたはず」「かうだつたやうな気がする」といふので、それとなくできたりするのである。
デザイン的に難がなければ。
問題は、そのときに習つたのは上着だけで、ズボンの類の補正の仕方は習はなかつたんだねー。
補正なんて、自分のサイズをはかつて、そのとほりに変更して編めばいいぢやない。
さういふ向きもあらう。
人体といふのは、立体にできてゐる。
しかも左右非対称だし、出るところと引つこむところがわりとランダムにある。
三次元で考へる必要がある、ともいへる。
補正はさうかんたんな話でもないのだ。
しかし、ものはあみものである。
つまり、伸縮する。
多少小さくても伸びるし、大きかつたら……まあ、どうしやうもないかもしれないけど。
といふわけで、この秋冬は念願のタイツを編む……
かどうかは謎だなあ。
とりあへず、アメリーでポケットつきのポンチョを編んでみやうとは思ふてゐる。
« 2014年8月の読書メーター | Main | 六角形をつなぐ罠 »
Comments