2014年8月の読書メーター
2014年8月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:1585ページ
ナイス数:13ナイス
論理的で正しい日本語を使うための技術とトレーニングの感想
三森ゆりかの本のときも思ふたが、論理的になるつて「ヤな奴になる」とほぼ同義だ。論理的になるより先に、自分の意見を主張していいことや他人の意見を尊重すること、意見と人格とは別物であることを理解する必要がある。この本でもエトス・ロゴス・パトスが説明されてゐて、主にロゴスを扱つてゐるが、一番重要なのはエトスなのではあるまいか。一番どうにもならなさうだけれどもさ。ロゴスが一番訓練次第でどうにかなるんだらうけれどそれだけではダメだ。最後の方は漢字の読みや書き取り、東大と京大の入試問題が掲載されてゐる。不要かと思ふ。
読了日:8月1日 著者:木南法子
悟浄歎異 —沙門悟浄の手記—の感想
我が厨二の書。読みつつイタイ思ひをする。夏だから。
読了日:8月1日 著者:中島敦
悟浄出世の感想
「悟浄歎異」を読んだのであはせて読んだ。中に出てくる「西遊記」の抜粋を読むと、「西遊記」全篇をこの文体で読んでみたいといふくるほしい思ひにかられる。
読了日:8月1日 著者:中島敦
〔改訂新版〕音楽の文章術 論文・レポートの執筆から文献表記法までの感想
米国の音楽を専攻する学部生に向けた書。「音楽の」とあるが、文章術の部分は音楽に限った内容ではない。万人の役に立つ書である。英語の文法について述べた部分は、英文を書くとき参考にしたい。「音楽の」と題名のあるのが惜しまれるくらい一般向けの内容だ。よい文章を書くには、たくさん読んでたくさん書いて、アウトラインをしっかり作って推敲に推敲を重ねるしかないのだなあ。それが毎回できればよいのだが。
読了日:8月7日 著者:リチャード・J.ウィンジェル
Waldenの感想
「森の生活」をモデルにした里にこれから行くといふことで読んでみた。Kindle Paperwhiteではじめて読んだ作品である。ソローのことを「ニート」といふ人がゐるけれど、どちらかといふと「フリーター」ぢやないのか。労働に重きを置かず、生きていくのに最低限必要な稼ぎを得たらあとは好きに暮らすつて、いいんぢやない? その割に大したこと書いてないよね、といふ意見もあるやうだが、それはソローにはどうでもよかつたのではないか。「こんな風に生きてもいいんだ」と思へる一冊。
読了日:8月16日 著者:HenryDavidThoreau
死者の書の感想
結構漢字を使つてあるのに、なぜか黒つぽい感じがしない。ひらがなとの割合が絶妙なのか。そして漢字があるとどうしても訓読みしたくなる。
読了日:8月19日 著者:折口信夫
陋巷に在り1―儒の巻―(新潮文庫)の感想
この本のKindle版が出たらKindle Paperwhiteを買はうと決めてゐた。あとがきを見たら「オンライン出版が云々」といふ話が出てゐて、しみじみと読んでしまつた。表紙は大きい絵では見られないんだな。残念。
読了日:8月25日 著者:酒見賢一
殺しの時間-乱視読者のミステリ散歩の感想
ミステリマガジンには昔から楽しみにしてゐるコラムが必ずあって、青木雨彦とか山口雅也とか、そして若島正とか。といふわけで、懐かしく読み返す。未訳本の中にはいまでも手に入るものもあるやうで、我と我が身を省みることなく、「読んでみやうかなあ」などと思つてしまふ。だまされたと思つてひとつ読んでみるかな。
読了日:8月28日 著者:若島正
文字禍の感想
喜劇。さう思つて読んでゐる。腹を抱へて笑ふやうな話ではないが、同病相憐れむ的な笑ひが、気がつくと唇の端に浮かんでゐる。
読了日:8月28日 著者:中島敦
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