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Wednesday, 20 August 2014

川本喜八郎人形ギャラリーガイドに行つて来た

8月16日の土曜日、渋谷ヒカリエ8F「川本喜八郎人形ギャラリーガイド」と、「人形歴史スペクタクル 平家物語(以下、人形劇平家物語)」の上映会とに行つてきた。

去年もおなじイヴェントに2回も行つた。
我ながらどうかしてゐるんぢやないかと思ふ。

「人形劇平家物語」の上映会は日曜日で終はつてしまつたが、ギャラリーガイドは今日の17時までである。
リンク先にもあるとほり、川本プロダクションの方々や人形遣ひの方がいらして、来館者に人形を操演を見せてくれたりさせてくれたりする。
楽しい。
これが実に楽しい。

人形の操演は、まづカシラの動かし方から習ふ。
「人形劇三国志」「人形劇平家物語」とも、カシラの作りは人形浄瑠璃の人形とおなじである。
胴串といつて、人形の頭があり、首から棒が出てゐて、木製の握り部分にさしてある。テグスもはられてゐて、それで顔の各部分が動くやうになつてゐる。

人形浄瑠璃の人形のカシラとの大きな違ひは、まづはその大きさであらう。
人形浄瑠璃は舞台で演じるし三人で遣ふこともあつて、かなり大きくできてゐる。はかつたことないけど、団七とか知盛とかだと縦の長さが20cmくらゐはあるんぢやあるまいか。そんなに大きくはないかな。
一方TVの人形劇の場合はそんなに大きくする必要がない。一人で遣ふしね。さうだなあ、大人の拳サイズくらゐなんぢやあるまいか。まちつと大きいか。

もうひとつ、目立つ違ひは、「人形劇三国志」と「人形劇平家物語」の人形のカシラには革が貼られてゐるといふことだらう。
人形浄瑠璃のカシラは、革を貼らずに砥の粉を塗つてゐる。そのはずである。
TVだと照明がきついのでそれでは顔が光を反射してしまふことがあるのださうだ。
それで革が貼られてゐる。
#紫虚上人は縮緬だけど。

革を貼る利点のひとつに、革の伸縮で口を動かすことができる、といふのがある。
人形浄瑠璃のカシラの場合、通常は口は動かない。口の動くカシラは下顎の部分が別パーツになつてゐる。ちやうど腹話術の人形のやうな感じだ。
「人形劇三国志」と「人形劇平家物語」の人形のカシラには、目立つ細工のあとはない。でも口が動くやうにできてゐる。三国志ではそれほどでもなかつたけれど、平家物語ではかなり口を動かす演技をしてゐる。
革だからできることだ。

蘊蓄はこれくらゐにして、この胴串を持つのがまづつらい。
結構手の大きい人でないとつらいんぢやないかなあ。
やつがれはかなり小さい部類なので、手のひらの中心に胴串をのせた状態で首の上げ下げをしたり目を動かしたりするのがかなりつらい。
さう、人形のカシラといふのは、これは人形浄瑠璃でもさうだれとも、なにもしない状態ではがつくりとうなだれてゐるものである。
正面を向くには、首をあげるやう遣ひ手が保持しなければならない。
これが結構つらい。
ずつと支へてゐると、指がつらくなつてくる。
こんな状態で舞台だのTV番組の収録だのをしてゐるのか。

と、感じ入つたところで、今度は衣装をつけた状態で遣はせてもらふと、これがまた大変だ。
今回は、「人形劇平家物語」から鎧フル装備の人形を遣はせてもらつたのだが、これが大変に重たい。
去年も2.5kgはある、と書いたが、3kgくらゐはあるんぢやあるまいか。弁慶に至っては5kgくらゐあつたといふ話も聞く。
その重たい人形を、自分たちの姿は見えないやうに頭の上に高く掲げて操るといふが、想像を絶するよな。
しかも膝は折つたままだし。

これも人形浄瑠璃もさうなのだけれども、人形遣ひには自分の遣つてゐるさまを自分で見ることはできない。
どうやつてちやんと遣へてゐると判断するのか。
謎である。
慣れてくるとわかるのかなあ。
どうも話を聞いてゐる感じだと、人形浄瑠璃にしてもTVの人形劇にしても、鏡を見て練習してゐるといふ印象はない。
ちやんと遣へるやうになるには相当時間がかかるといふことなのかな。

去年は名前のわかる人形としては、「人形劇平家物語」から実盛が来てゐた。やうすからして、おそらくちやんと髪も髭も黒いころの実盛であらう、とは去年も書いた。

今年は、義経が来てゐた。
義経はまだ川本喜八郎人形ギャラリーには展示されたことがない。次回、といふ話である。
この義経がすばらしくてねえ。
川本喜八郎自身は義仲のことが好きだつたやうに見受けられるけれど、どうしてどうして、義経はすばらしい人形だと思ふ。
まづカシラがいい。
すつきりとした甘さのある二枚目の顔立ちだ。
衣装も当然ステキである。
今回は鎧姿だつたのだが、白・赤紫・淡めの黄色といふはなやかな色合ひで、どこかやさしくもある。優美、とでもいふのかな。
現在飯田市川本喜八郎人形美術館にゐる義経の鎧はまちつと赤と白寄りな感じだつたと思ふんだよね。
今回会つた義経の鎧の方がいいなあ。

上映会でも義経は活躍してゐて、元服したての初々しい感じとか、母戀ひ子の切なさとか、御曹司の凛々しさとか、そのすべてが渾然一体となつてゐて、すばらしい。
人形がすばらしいのはもちろん、演技もね。イヤミがないんだよねえ。ああいふ二枚目は得てしてちよつとイヤミな感じになつたりする。主役級でもあるから主役のイヤラシさが出ることもある。
さういふのがまつたくないんだよねえ。
なんていふんだらう、上善如水?

そして、そんな義経と一緒に写真を撮つてもらつたりするつて、一体どんな僥倖だらう。それも義経を実際に遣つていらした船塚洋子さんが義経を遣つてくだすつて。
そんなに善行を積んでもゐないのにな、やつがれ。
これから積むか。

来てゐたといへば、「人形劇三国志」からは孔明が来てゐた。
人形劇に出てゐた孔明は飯田にゐて、ヒカリエの孔明は現在展示中である。
ではこの孔明は何者、と、川本プロダクションの人に問ふたところ、驚愕の事実が判明する。
この孔明は、幻の「横目の孔明」だつたのである。

横目の孔明については以前ちよこつと書いてゐる
赤壁の戦ひ前夜、周瑜と孔明とが「火攻しかない」といふ結論に至る会談の場面で使ふやう、川本喜八郎が用意してゐたカシラなのださうである。
孔明を遣つてゐた方が「孔明は横目なんか使はない」と主張して実際に使はれることはなかつたといふことだ。
見てみたかつたねえ、横目の孔明。
現在のヒカリエの展示でもさうだけれども、川本喜八郎の人形には横目になつたときにいい表情になる人がたくさんゐる。今でいふと時忠とか後白河法皇とかだな。三国志だと仲達なんか実にいいと思ふ。
策謀家は、やはり横目がきかないとねー。

といふわけで、これまた船塚洋子さんにお願ひして、横目になつてゐる孔明の写真を撮らせてもらつた。
なかなか陰険さうでいい表情だつたのだが、落ち着いて見直してみたらばこはいかに。
なんだか可愛い表情になつてゐる。
をかしい。
横目なのに。
ちよつとカメラの位置が上過ぎたか知らん。
陰険さうな表情は、心の中にとつておくことにするか。

今回も川本プロダクションの方からいろいろお話を聞くことができた。
ほかにもお客さんがゐるところ、長時間独占して申し訳ない気分だつた。
もうひとり一緒に話を聞いてゐる人がゐるからいいかなー、とか、内心で云ひ訳してゐた。
でも、喋つてゐたのはやつがれ一人かも。
申し訳ない。
ここで謝つても仕方がないけど。

そんなわけで、今年もとても楽しいイヴェントであつた。
来年もあるのかなあ。
といふか、そんなに毎年行つてどうする。
楽しいからいいか。

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