再訪 文房具カフェ
六月の最終土曜日に、表参道の文房具カフェに行つてきた。
二年ぶり二度めである。
行つて、「前に来たのは開店直後だつたのか」とあらためて思つた。
壁一面に巨大な模造紙がはられてゐて、「二周年」といふやうなことが書かれてゐたからだ。
そこにはいろんな色でいろんな人々が思ひ思ひに開店二周年をことほぐ絵や文字をかいた跡があつた。
店は地下にある。
階段を下りていくと、向かつて左側の壁には文房具などが展示されてゐる。
半分くらゐ下りると、店内のやうすが見えてくる。
最初の印象は「にぎはつてゐる」だつた。
以前来たときは、開店してまもないころだつたこともあり、また平日だつたこともあつてか、店内は落ち着いた雰囲気だつた。
飲食する客はそこそこゐて、でも店内の文房具を見る客はそれほどゐなかつた。
いまは、文房具目的のみで来てゐる人もかなり多いやうだ。
またテーブルも常にほぼ満席で、注文も多いのだらう、カウンターの中も威勢のいい感じだつた。
天井は高かつたといふ印象がある。
地下といふこともあつてか、照明は控へめだ。これが最初のときは「落ち着いてゐる」と思ふた所以かもしれない。
ぱつと見たとき、月光荘のスケッチブックや鉛筆、ショルダーバッグが目についた。
月光荘の縦長のショルダーバッグはちよつといいのだ。あれはなかなか使ひやすいかばんだ。
普通にちよつとした画材を入れて持ち歩くのもいいし、通勤などにも使ひやすい。ストラップを一番短くしたときに、うまいこと脇の下におさまるんだよね。もちろん文房具を入れてもいいし、やつがれは毛糸と編み棒、スピンドルと毛などを入れてゐる。
スケッチブックも種類が豊富だ。紙の種類によつて選べるやうになつてゐる。
月光荘ものはちよつと好きなもので、いきなり気分がもりあがつてしまつた。
テーブルはすべてうまつてゐたので、待つあひだ文房具を見てまはつた。
うつかりくらつと買ひさうになつてしまふなあ。
マスキングテープとか、普段全然使はないくせに、ああいふところでああいふ風にならんでゐて、女の子たちがわらわらとむらがつて「可愛い!」「これにしやう」なんて選んでゐると、つい「やつがれも」とか思つてしまふ。
いかんいかん。
ほどなく席に案内されて、メニューを見た。
前回来たときは、紅茶のアフォガードとコーヒーを頼んだ。
紅茶のアフォガードの紅茶の味が濃厚なところがとてもよかつた。
どうやらメニューからはづれたのらしい。
「モンブランのおいしいインク壷」といふ名前だけ見て、興味を持つて注文したところ、残念ながら品切れであつた。
次回行く口実ができたな。
といふわけで、「ほうじ茶のブリュレはちみつ風味」とブレンドコーヒー(名前は「イマジン」)を頼んでみた。
まづ、コーヒーが大きめのカップにたつぷり入つてくるのがいい。
ブリュレはぱりぱりとした食感となめらかな食感に、はうじ茶と焦げた味との香ばしさと甘さが混然として、うまい。
ランチョンマットは画用紙でできてゐて、右端がアンケートになつてゐる。それ以外の部分は好きなやうに使つていいやうだ。
カウンターにカランダッシュの色鉛筆がたくさん並んでゐて、好きな色・好きな鉛筆を取つてきて、ランチョンマットにあれこれかく(描くも書くもあるので)人も何人かゐた。
やつがれは、テーブルにあつた鉛筆でいろいろ書いてみた。
楽しい。
意味もなく楽しい。
書いてゐてわかつたのだが、テーブルといすとの高さがものを書くのにちやうどいい。
まあ、やつがれの体格にあつてゐる、といふだけのことかもしれないけれど、参考にしたいな。
前回は入会を断念したが、今回は会員にもなつてみた。
鍵を受け取つて、さつそく引き出しをあけてみる。
ああ、さうだよなあ。
昔、自分の机の引き出しの中は、こんなだつた。
そんな気がする。
会員限定引き出しなので、写真は撮らなかつた。
欲を言ふと、いろんな硬さの鉛筆があるといいなあ。
そんな感じで、次回はモンブランのインク壷に再挑戦しに行かなければ。
表参道には滅多に行かないんだけれどもね。
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