2014年6月の読書メーター
2014年6月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:2003ページ
ナイス数:15ナイス
世説新語3 (東洋文庫 847)の感想
人を褒めた賞誉篇から豪快な人の話を集めた豪爽篇まで。賞誉篇の次がもう少し辛辣な話も出てくる品藻篇なのだが、賞誉篇のころから「あいつをこんな風に褒めることのできる俺つて最高」みたやうな感じが透けて見える。ほんたうにヤな人ばかり出てきて、実に楽しい。「阿堵物」の由来なんかもここに出てゐる。曹操と楊脩との応酬は、ちよつと「一休さん」風味だな。
読了日:6月9日 著者:劉義慶
Becoming Freud (Jewish Lives)の感想
伝記&伝記作家嫌ひでならしたフロイトの若き日々を語る(或は語らんとする)本。「検閲を経た過去だけが受け入れられる」といふのはそのとほりかも。妻への最初の贈り物が「デイヴィッド・コパフィールド」とか、知らなかつたなあ。この本、「Jewish Lives」といふシリーズの中の一冊とのことだけれども、刊行予定の本もおもしろさう。
読了日:6月16日 著者:AdamPhillips
蘇東坡詩選 (岩波文庫 赤 7-1)の感想
左遷されまくりある時は死刑になりかけた蘇軾の詩は、それでもなほ明るいといはれるが、さうかなあ。確かにさういふ詩も多いやうに思ふけれど、案外しんみりした詩も多いやうに思ふ。さうは思ひつつも、「赤壁賦」は客の心境にはなれても蘇軾の心境にはなかなか到達できさうにない。唐詩もきちんと読み込んでおきたいなー、と思ひつつ、その前に詩経とか楚辞とか読めよなー、と自分にツッコミつつ読む。
読了日:6月19日 著者:蘇東坡
漢字世界の地平: 私たちにとって文字とは何か (新潮選書)の感想
文字とは何か。何なんでせうね。漢文を受け入れた日本で、日本風に訓読みするか或は書いてあるとほりに読むかといふ熱い戦ひがあつたといふのはおもしろいなあ。かういふことがあつたから英語などは返り点とか打たない方式になつたのか知らん。それとも最初にオランダ語とか英語とかに触れた人々は漢籍に親しんでゐたがゆゑに特にそこのところは苦労せずに読めたのか知らん。頼山陽が「司馬遷と同じ世界の住人になることを望んで(pp139-140)」ゐた、といふのはちよつといいな。さういふ観点で「日本外史」を読んでみたい。
読了日:6月23日 著者:齋藤希史
言語学の教室 哲学者と学ぶ認知言語学 (中公新書)の感想
文法のことが気にかかつてゐて、その延長線上で手にした本。まあ、なんといふか、一概に「かう」とは云へないつてことね、多分。実際の対談ではどうだつたのかわからないが、間髪入れないツッコミとその内容に時々唸る。
読了日:6月25日 著者:野矢茂樹,西村義樹
論語 (中公文庫)の感想
昨今いふ「ライフハック」なんてなものは、全部ここに書いてあるのでは、と思ふ。「毎日新しいことを学んで、毎月学んだことを振り返る」なんてのもさうぢやない? 結局、人は繰り返しおなじことを云ふものなのかもしれないなあ。
読了日:6月30日 著者:孔子,貝塚茂樹
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