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Thursday, 29 May 2014

近頃の萬年筆事情

最近、パイロットのカクノを愛用してゐる。

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ここのところ文書の誤字脱字チェックのやうなことばかりしてゐる。
このとき、印刷した文書に訂正内容を書き込むのにカクノを使つてゐるのだ。

インキの色は青い方に色彩雫の孔雀、紫の方におなじく色彩雫の紫陽花を入れてゐる。
赤色にしない理由は、「赤ペン先生にならないため」だ。
自分用には朱紺色鉛筆を使ふときもあるけれど、他人に見せることが前提の場合は、カクノを用ゐることにしてゐる。
誰しも自分の書いた文章を他人にとやかく云はれるのはイヤだらう?
ましてや、「無駄にエラそー」なやつがれに云はれるなんて、やつがれだつたら我慢できないよ。

といふわけで、少しでも視覚的にやはらかな印象を、といふのがひとつ、また、書いたあと、確認しやすい色、といふのがひとつ、さうした理由で孔雀と紫陽花とを使つてゐる。

カクノは、使つてゐる人はご存じだと思ふが、インキの減りが普通の万年筆より早い。
それも道理である。
なぜならカクノのペン軸は密封されてゐないからだ。
キャップの先と尻の部分を見ると穴があいてゐるのがわかる。
これがインキの減りの早い原因になつてゐる。

以前のペリカーノJr.にもこの問題はあつた。
問題はあつて……でも、それつて、悪かないんぢやない?
だいたい、万年筆に補充したインキは、早く使ひきつた方がいいとされてゐる。
最近どこかで見かけた注意書きには、補充したインキは一ヶ月以内に使ひきること、と書いてあつた。
同様に、ボトルインキも早めに使ひ切るに限る。

カクノにしてもペリカーノJr.にしても、日々使ふ前提で作られてゐるのだらう。
あるいは、カクノの方は学校で使用する前提もなし、「早めにインキを蒸発させてしまへ」といふ考へで作られてゐるのかもしれない。
だつたら、そんなに目くじらをたてることでもない。
カクノには、丁寧な使ひ方説明書もついてくるし、万が一インキがつまつたとしても、それを読めばなんとかできるだらうし。

といふわけで、ここのところかつてない勢ひでカクノのインキを補充してゐる。
カクノが書きやすいペンだからだ。
気軽に使へるしね。
たぶん、今後もしばらくはカクノに活躍してもらふやうである。

とかいひながら、ここのところ、ペリカンのスーベレーンM400もいい感じなんだよな。
やつがれのスーベレーンは9年前にフルハルターで調整してもらつたアイヴォリートートーイス(「ホワイトトートイス」だが、フルハルターのサイトに「アイヴォリーといふてもよいやうな色合ひ」といふやうなことが書かれてゐたので)。
現在ではねぢの溝の部分にインキ汚れが染み着いてしまつてあまりうつくしいといふ感じではなくなつてしまつたが、なに、それだけ使つてゐるといふことだ。
モンブランのロイヤルブルーを入れてゐる関係で、Moleskineを使つてゐるときにはあまり活躍の場がない。
でもSmythsonの紙とは相性抜群なんだよねえ。
今年はSchott's Miscellany Diaryを使つてゐるので、意味もなく書き込んではニヤリとしてしまふ。危険人物である。

さうさう、どうやら昨日でこのblogも十歳になつたのらしい。
すつかり忘れてゐた。
最初のエントリは、奥泉光の「鳥類学者のファンタジア」の感想だつた。どうも時に隔てられた人間たちの関係に弱いところがあつて、この小説もさうしたところがたまらなくよかつた。
帰宅したらチャーリー・パーカーでも聞くかな。

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