修行
先週、80番の糸でタティングしてみた話を書いた。
DMCのスペシャルダンテルは細いけれども、結びやすい糸ではある。
結びやすい糸ではあつても、こちらの技量が追ひつかねばどうしやうもない。
そんなやうな話だ。
といふわけで、その後、すこし太めの糸でタティングしてみました、といふ結果がこの写真である。
Kersti AnearのデザインしたTabathaといふ栞を作つてみた。
上が40番、下が20番の糸で作つたものである。どちらも糸はLisbethだ。
最初に作つたのは、下の20番手の方である。
日曜日にNHK教育TVの将棋を見ながら作つた。
といふわけで、一時間半くらゐでできたわけだ。
やつがれは手が遅い方なので、早い人なら一時間もかからずにできるのだらう。
Lisbethの20番は、総じて結びやすいと思ふ。
確かLisbethで一番最初に出たのが20番の糸だつた。
三玉ほど買つて、そのときは大して感銘をうけなかつた。
「こんなものかな」くらゐに思つてゐた。
販売元のHandyHandsから、「最初のLisbethの糸の品質がよくないので、作りなほしてもらひました。今回はそれを送ります」といふて、新たな糸が三玉やつてきたのは、購入後どれくらゐたつてからのことだつたらうか。
まあ、見違へるほどによくなつてゐたね。びつくりだ。いままでのアレはなんだつたんだらうといふらゐよくなつてゐた。
その後、もつと細い糸や太い糸などヴァリエーションも増えて、本邦でも店頭で取り扱ふ店があつたりして、結構この糸を使つてゐる人は多いんぢやないかと思ふ。
ちなみに、Lisbethを扱つてゐるのを見たことがあるのは、越前屋とドヰ手芸とである。いまもあるかどうかはわからない。
閑話休題。
下の栞を作るのに使つた糸も、とてもタティングのしやすい糸だ。
タティングのしやすい糸の場合、リングを引き締めるときに引き締めすぎることがない、とは以前書いた。
今回もそんな感じだつた。
ところが、ここにひとつ問題があつた。
Tabathaは、20番で作ると大きくなりすぎてしまふのである。
栞の下にあるのは、新書サイズの本のカヴァである。そのカヴァから栞がはみだしてゐる。
いや、それはちよつと、大きすぎるだらう。
文庫本に使つたら、完全にはみ出てしまふ。はみ出しすぎてしまふ。
ぬーん。忘れてゐた。
といふわけで、おなじ日曜の夕方ごろから、今度は上の40番の糸でおなじ栞を作つてみた。
サイズとしては、許容範囲だらうか。
文庫に使つたらやはりはみ出さうだけれども、なに、栞は多少ははみだしてナンボだし。
先に20番を使つたせゐだらうか、40番のときはなんだかやりづらかつた。
シャトルに巻いた糸に妙にねぢりが入つてゐたこともある。
多分、巻き付ける時に変な撚りが入つてしまつたのだらう。
それでリングを引き締めるときに、糸がねぢれてしまつて、うつかりすると糸にこぶができさうな感じだつた。実際できたこともあつたしね。
Lisbethは20番が一番いいのかもしれないなあ。
そんなことも思つたりする。
いづれにしてもさらなる精進が求められる。
20番で練習すればいいか知らん。
ところで、この栞、どちらも一番最初の部分に誤りがある。
ぐるつと回つて最初に戻つてきてはじめて気がついたので、どちらもあとの祭りだつた。
どうかしてるのかな。
どうかしてるのかも。
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