ひねもすニットニットかな
メビウス編みのショールは、端のレース編みに入つた。
レース編みを編みつけていく形である。
なんだかよれよれしてゐて、さぞかし整形が大変だらうといまからちよつと頭を抱へてゐる。
メビウス編みはその形状からいつて、整形しづらいのだ。ぐるぐるまはしながら、すこしづつ形を整へていくしかない。
気の長い話である。
気の長い話といへば、編んでも編んでも終はらない。
最初にこの形にしやうと決めたときにわかつてゐたことではあつた。
わかつてはゐて、でも実際に編んでみると、ほんたうに終はりが見えない。
編んでも編んでも形が見えてこない。
最小七目最大十一目を往復編みしてゐるので、段はすすんだ気がするのである。
段はすすんでゐるはずなのに、その気持ちとはうらはらに、すすみ具合ははなはだよろしくない。
ま、当然のことなんだけどね。
一方、ただの伏せ止めよりはこちらの方が断然楽しい、といふ話もある。
ただの伏せ止めだつたら、おそらくもう半分は終はつてゐるところだらう。でも、ただの伏せ止めだつたら、退屈であまりすすんでゐなかつた、といふことも考へられる。
また、ただの伏せ止めの場合は、伸縮性のことを考へながら止めていかなければならない。
止める目と目とのあひだにもう一目入れる、とか、伸縮性のある止め方にする、とかいろいろ方法はあるけどね。
でも、このレース編みを編みつけていく方法なら、伸縮性のことはあまり考へなくてもいい。
といふか、やつがれはほとんど考へてゐない。
とにかくひたすら編んでいくだけ。
これは、ある意味楽である。
ちよつと前にVortex Shawlでほぼただの伏せ止めのやうな方法で止めたばかりだから、この感覚はまちがつてゐないと思ふ。
編みながら思ふのは、中心部分にもまちつとレースつぽい模様を入れておくのだつたかな、といふことだ。
真つ黒なので、なんだか重たい感じがするのである。
また、端のレース編みは思つたほど幅(といふか高さといふか)がなかつた。これがもうちよつと大きければ、すこしは印象がちがつたかも。
いづれにしても、完成すればいままで編んだことのないやうなショールができあがることになる。これだけは間違ひない。
いまはそれだけを考へてひたすら編んでゐる。
すすんでゐるやうには見えなくても、編んでゐればいつかは終はる。
そのはずだ。
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