To Boldly Knit What No one Has Knitted Before
桜開花のニュースの流れる中、メビウス編みのショールは、六玉目に突入した。
当初の計画とほり、六玉でメリヤス編みをして、七玉目と八玉目とで端のレース編みをする予定である。
先日、「メリヤス編みの部分は四玉目で終はりにして、五玉目と六玉目とで端のレース編みをし、あまつた二玉でくつ下でも編むかー」などと書いた。
それもありかなと思つてゐた。
グランメリノなので、くつ下よりは手袋の方がいいかな。
手袋だつたら、指なし手袋にしやうか知らん。
そんなことも考へてゐた。
予定どほりにした理由は、「いままで編んだことのないやうなものを編んでみたかつたから」だ。
もちろん、「このまま惰性で編み続けられるから」といふのも理由のひとつではある。
これまで、グランメリノと同等の毛糸を四玉使ふやうなメビウス編みのショールはいくつか編んできた。
メビウス編みのショールを編むときは、試しにと買つてきた毛糸のうち、くつ下や手袋にはむかないし、かといつて着るものを編むほどには量もないといつたものが手元にあるときが多かつた。
最初から「これはメビウス編みのショールにしやう」と思つて買ふこともないわけぢやないが、まれである。
さうすると、いつもおなじやうな長さのショールができあがるんだよね、当然の帰結として。
グランメリノ八玉といへば、着分といつてもいいくらゐの量がある。
その量を使つてメビウス編みのショールを編む。
いままでやつたことはないぞー。
いままでやつたことがないから編む。
そんな感じかな。
ねぢれた状態で編み進むメビウス編みの場合、段が増えてくると編み地がもたつきがちになる。
それでこれまでも大きなものを編まうとしたことはあつたが途中で挫折してゐた。
今回も、かなりもたついてゐる。
作り目の数が多かつたせゐもあつて、二玉目とか三玉目くらゐですでにもたつきを感じてはゐた。
だが、なぜかいつもほどいらいらした気分にはならない。
どうやら針と糸との相性がいいのらしい。
針はAddi Turboを使つてゐる。
グランメリノのセーターはクロバーの匠の輪針を使つて編んでゐた。グランメリノと匠の輪針とはあまり相性がよくないな、と思つてゐた。編み地を動かすときになんとはなしひつかかりを感じるのである。
匠の輪針は針とコードとのつなぎ目があまりスムースではない。ゆゑに編み地を動かすときにいつもなんとなくひつかかる感じがする。
グランメリノの場合は、竹の部分にきてもなんとなくひつかかる感じがしてゐた。
匠の四本針で編んだときには感じたことはないんだがなあ。
そんなわけで、六玉目でせつせとメリヤス編みと裏メリヤス編みで編んでゐる。
ねぢれた状態で編むメビウス編みは、編んでゐる途中はどうなつてゐるのかさつぱりわからない。
伏せ止めをはじめて、半分くらゐまできて、やつとなんとなく全体像がわかる。
今回は普通の伏せ止めではなくてレース模様を編みつけていくつもりだ。すなはち、普通の伏せ止めより時間がかかる。
なんかね、もう、時間かかつてもいいかなつて。
未知の世界を探索するには、五年くらゐは必要だといふしな。
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