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Thursday, 06 March 2014

知らない町を彷徨ふとき

先日飯田に行つた。
もちろん飯田市川本喜八郎人形美術館に行くのが目的だつた。
目的はそれで、しかし、今回はいつもの飯田行きとはチト違ふことをしてみた。
たとへば、人形美術館以外のところへ行く、とか。
夜は外食してみる、とか。
さらには一杯飲んでみる、とか。

人形美術館以外のところでどこに行かうか。
Webで検索してみたところ、日本茶を主に扱つてゐる喫茶店を見つけた。
飯田インターチェンジを出て少し行つたところにある店である。
正直云つて、飯田駅からは遠い。
飯田線に乗つて、飯田から二駅目の鼎といふ駅で降りて歩くと15分強らしい。Google Mapではさうだつた。
それなら飯田線にも乗れるし、歩いてみるかといふことになつた。
ちなみにその喫茶店から人形美術館までは歩いて33分ほどだとGoogle Mapはいつてゐた。
帰りも歩くか。
さう心に決めた。

ところで、飯田は坂の多いところだ。
飯田インターチェンジを降りて伊賀良のバス停から飯田駅前に向かふ途中、丘の上からはるか下界を見下ろすやうなところがある。
多分、今回行く先も山を下りて上るやうなところだらう。
よつて、15分強ではつかないだらうといふ見積もりはあつた。

よく知らぬ土地ではじめて行くところに赴く。
したがつて、Google Map頼りの道中となつた。
とはいへ、さうしよつ中見てゐたわけでもない。

知らぬ土地へ行くとき、事前に地図をよく見るのはあたりまへとして、それ以降はどうするか。
「鼎駅はこつち」「飯田駅はこつち」といふのを常に頭に入れて歩く。
いつもさうやつてなんとかしてゐる。

やつがれはどちらかといふと方向音痴だと思ふ。
こどものころ、近所のイトーヨーカ堂の2Fに行くと、必ず出口の方向がわからなかくなつたものだつた。
一昨年、ものすごく久しぶりにそのイトーヨーカ堂に行つてみた。
外装はもちろん内装すつかり変はつてゐたけれど、やはり2Fに行くと出口の方向がわからなくなつた。
どうやら窓がないのが原因のやうだつた。

そんなわけで、はじめての場所に行くときは、反対方向に行つてしまふことが多い。そして、さういふときは必ず正反対の方向に行つてしまふ。
先日も、四谷付近でお堀とは反対方向に行くはずが、気がついたら上智大学のそばに来てしまつた、といふことがあつた。

ちやんと正しい方向に向かへるときは、なにかしら基準点になるものがある。
京都市内なら、山の形でなんとなく東西南北がわかる。
それ以外は駅のある方向とか、なにか目印になるやうなお店だとか建物だとか。
方角に弱いので、地下鉄の駅から出たところなどは苦手である。
また、野中の一本道なども、なにも目印になるところがないからダメだと思ふ。一本道なのだから迷ひやうもないだらうけど。

といふわけで、飯田でも、「こつちが鼎駅」「こつちが飯田駅」と念頭に置きながら歩いた。
また、喫茶店(残念ながら11時開店だつたので入れなかつた。着いた時は10時20分。40分は待てなかつたのだ。Webページには10時開店つて書いてあるのになー)から飯田市川本喜八郎人形美術館に行くときは、下りきる前に上る方向を見定めて、「だいたいあのあたりを歩くのだらう」と予測をたてた。上り下りがあるといふのは、かういふときにいいものだつたりもする。

そんなわけで、喫茶店は空振りだつたものの、たどりつくことはできたし、そこから人形美術館に行くこともできた。

それにしてもよく知らない土地でまつたく知らないところへ行つて、一時間以上もよく歩いたものだと我ながら思ふ。
結局、最後の上りがかなり強烈で、異様に時間がかかつてしまつたんだな。やれやれ。
歩くのも出かけるのも好きぢやないのになー。

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