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Thursday, 13 February 2014

筆記具の好み

Pen and messageの店長さんのblogを読んで、「なるほど、自分が萬年筆を使ふのは、書くときは一気呵成に書くからといふ理由もあるのだな」と思ひ至つた。

これまで何度か書いてゐるやうに、やつがれが萬年筆を使ふのは、「好きだから」といふのもあるけれど、「筆圧が低いから」といふのが大きな理由だ。
ペン先のきちんと調整された萬年筆は、まつたく筆圧をかけなくても線がかける。
そんなわけで、書いても書いても疲れがすくない。
以前、自分の住所氏名も含む年賀状の宛名書きを五十枚くらゐ一気に書いたことがあるけれど、別段手が疲れたとかいふことはなかつた。
むやみやたらと書き過ぎてしまふのは、筆圧が低いからなのか、と思つたこともある。
筆圧が高くて、すぐ疲れるやうならムダなことは書き散らしたりしないのではあるまいか。
さうも思つた。

しかし、まあ、筆圧の高い低いも個性だらう。
己の生まれ持つた特性をむりやり撓めることもあるまい。

そんなわけで今日も手持のノートにムダに文字を書き連ねたりしてゐたわけだが。

考へてみたら、書きはじめると、ほぼ手を止めることがない。
あたりまへだな、そんなことをしてゐたら、萬年筆の場合はペン先のインキが乾いてしまふ。
乾く暇のあればこそ、とにかく文字を書き連ねていく。
かういふときは不思議と文字や文言の間違ひもない。

自分ではさうして書くのがあたりまへだと思つてゐて、とくになんとも思つたことはなかつた。

でも、考へ考へ書くやうだつたら、おそらく萬年筆など使つてゐないな。
鉛筆とかシャープペンシルとかを使つてゐたのではあるまいか。
ポールペンではないのは、どうも苦手だからだ。
あ、でもデュポンのJET8はいいなあ、と思つてゐる。店頭で試し書きをして、ボールペンとは思へぬ書き心地だつた。おそらく、自重でうまく書けるやうになつてゐるのではないかと思ふ。買ふ気まんまんだが、色がたくさんあつて選べないといふ罠にはまつてゐるところだ。

もとい。

昔の小説家なんかはどうしてゐたんだらう。
悩み悩み書くやうな人は、やはり鉛筆を使つてゐたのだらうか。
でも自筆原稿とか、結構みんな萬年筆だよなあ。
しよつ中キャップをとつたりつけたりしながら書いてゐたのだらうか。
さういふ人もゐたのかもしれない。

ところで、萬年筆を愛用する所以は、書くときは一気呵成に書くから、と書いたが。
実は、萬年筆を使ひたいから一気に書くのではないか。
そんな気もする。
つまり、愛用の筆記用具に書き癖(といふのかね)が身に付いたのではあるまいか。
そんな気もしないではない。

そんなに萬年筆を使ひたいか。
使ひたいねえ。

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